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スズキ アルト完全ガイド|初代から最新型までの軌跡と歴代モデル情報

投稿日:2025年5月25日| 最終更新日:2025年6月3日
メーカー:スズキ

【音声配信】スズキ ワゴンR歴代モデルの概要

この記事の概要を音声で配信しています。

目次
  • スズキ アルトの概要
  • スズキ アルトの歴代モデル概要

スズキ アルトの概要

スズキ アルトは、1979年に初代モデルが47万円という戦略的な価格で市場に登場して以来、日本の軽自動車史における金字塔として、また「国民の足」として、その名を刻み続けてきました。徹底した経済性、誰もが気軽に扱えるシンプルさと実用性、そして時代ごとのニーズを的確に捉える先見性は、アルトを単なる移動手段以上の存在へと昇華させ、多くの人々の生活に不可欠なパートナーとなりました。

歴代アルトを貫くのは、軽自動車の本質を常に追求し、最大限の価値を最小の資源で提供しようとするスズキの真摯なクルマづくりの精神です。時代と共に進化するデザイン、燃費技術、安全性能はもとより、時には「アルトワークス」のような胸のすく走りを提供するスポーティな一面も見せるなど、その懐の深さも魅力。アルトは、40年以上にわたり、日本の生活と文化に深く根差し、軽自動車のスタンダードを更新し続ける、偉大なコンパクトカーなのです。

スズキ アルトの歴代モデル概要

初代 アルト (SS30V/SS40V型)

  • 販売期間:1979年5月 – 1984年9月
  • 型式:SS30V (2ストロークエンジン), SS40V (4ストロークエンジン)
  • 特徴:
    • 「アルト47万円」という衝撃的な全国統一価格で市場に登場。当初は税制面で有利な軽ボンネットバン(商用車)として企画されましたが、その手軽さと経済性から、実質的なパーソナルカーとして、特に女性層を中心に爆発的なヒットを記録しました。日本のモータリゼーションに新たな局面を切り拓いた、歴史的な一台です。
    • シンプルで機能的な3ドアハッチバックスタイルを採用。無駄を徹底的に排した設計思想は、その価格設定にも表れていました。
    • パワートレインは、当初550cc 2ストローク3気筒「T5B型」エンジンを搭載。後に、よりクリーンで扱いやすい4ストローク3気筒「F5A型」エンジン搭載車(SS40V型)が追加され、商品力を高めました。
    • この初代アルトの成功は、「軽ボンネットバン」というカテゴリーを確立し、他社も追随する大きなムーブメントを生み出しました。まさに、日本の自動車史におけるエポックメイキングな存在と言えるでしょう。

2代目 アルト (CA71V/CA72V/CB71/CB72型)

  • 販売期間:1984年9月 – 1988年9月
  • 型式:CA71V/CB71 (FF), CA72V/CB72 (FF ターボ/ツインカムターボ), CC71V/CC72V (4WD) など
  • 特徴:
    • 初代の基本コンセプトを継承しつつ、より乗用車らしい内外装と快適性を追求。エクステリアは、初代のイメージを残しながらも、よりモダンで洗練されたデザインへと進化しました。3ドアに加え、実用的な5ドアハッチバックも設定。
    • この世代の最大のトピックは、1985年に軽自動車初の回転ドライバーズシート(一部グレード)、そして1987年に高性能モデル「アルトワークス」(CA72V型)が登場したことです。ワークスは、DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載し、その圧倒的な動力性能で「軽ホットハッチ」という新たなジャンルを切り拓き、若者を中心に絶大な人気を博しました。
    • パワートレインは、F5A型エンジン(自然吸気およびターボ)を主力とし、ワークスには高性能なDOHCターボ仕様も用意されました。一部モデルには電子制御燃料噴射(EPI)も採用。
    • 実用性と経済性に加え、運転する楽しさをも追求した2代目は、アルトの持つ多様な魅力を開花させた世代と言えます。

3代目 アルト (CL/CM/CN/CP/CR/CS型)

  • 販売期間:1988年9月 – 1994年11月
  • 型式:CL11V/CM11V (550cc FF/4WD), CN11S/CP11S (550cc FF/4WD 乗用), CL21V/CM21V/CR22S (660cc FF/4WD バン), CL22V/CM22V/CS22S (660cc FF/4WD 乗用), CN21S/CP21S (660cc FF/4WD 乗用) など多数
  • 特徴:
    • 「My First Mini」をコンセプトに、内外装の質感を向上させ、より幅広い層にアピール。軽自動車規格の変更(1990年にエンジン排気量を550ccから660ccへ拡大)を跨いだモデルであり、型式も多岐にわたります。
    • エクステリアデザインは、先代のイメージを受け継ぎつつ、より丸みを帯びた優しい印象に。一部グレードには、助手席側ドアが大きく開く「スライドスリム」というユニークな片側スライドドアも採用されました。
    • パワートレインは、当初F5B型550ccエンジン、1990年からは新規格に対応したF6A型660ccエンジン(自然吸気、SOHCターボ、DOHCターボ)を搭載。「アルトワークス」も継続設定され、DOHCターボエンジンによる刺激的な走りは健在でした。
    • この世代は、軽自動車の基本性能向上と共に、多様なバリエーション展開でユーザーの選択肢を広げ、アルトの国民車としての地位をさらに強固なものにしました。

4代目 アルト (HA11S/HB11S/HC11V/HD11V型)

  • 販売期間:1994年11月 – 1998年10月
  • 型式:HA11S/HB11S (乗用 FF/4WD), HC11V/HD11V (バン FF/4WD)
  • 特徴:
    • 「シンプル&クオリティ」をテーマに、原点回帰を目指しつつ基本性能を徹底的に磨き上げた4代目。エクステリアは、より背が高くスクエアなフォルムとなり、室内空間の拡大、特にヘッドクリアランスの向上に貢献しました。
    • インテリアは、シンプルで機能的なデザインを追求。運転のしやすさ、視認性の良さも重視されました。
    • パワートレインは、F6A型エンジン(自然吸気SOHC、SOHCターボ)に加え、一部の上級グレードや「アルトワークス」には、新開発のオールアルミ製K6A型DOHCエンジン(自然吸気およびDOHCターボ)が搭載されました。K6A型エンジンは、その後のスズキの軽自動車を支える主力エンジンとなります。
    • 「アルトワークス」は、この世代でもその高性能ぶりを発揮し、特にK6A型DOHCターボエンジンを搭載したモデル(ie/s、RS/Z)は、軽ホットハッチの代名詞として高い人気を誇りました。安全性や快適性も着実に向上させ、バランスの取れた軽自動車として評価されました。

5代目 アルト (HA12S/HA22S/HA12V/HA23S/HA23V型)

  • 販売期間:1998年10月 – 2004年9月
  • 型式:HA12S/HA22S/HA23S (乗用 FF/4WD), HA12V/HA23V (バン FF/4WD)
  • 特徴:
    • 1998年の軽自動車規格改定(ボディサイズの拡大)に対応し、「スモールカーの新しいかたち。」をコンセプトにフルモデルチェンジ。安全性、環境性能、そして質感を大幅に向上させ、新時代の軽自動車のスタンダードを目指しました。
    • エクステリアデザインは、より丸みを帯び、ボリューム感のあるモダンなスタイルへと進化。標準モデルと「アルトワークス」で明確なデザインの差別化が図られました。
    • 新開発プラットフォームの採用により、ボディ剛性が向上し、衝突安全性能も大幅に強化。インテリアも、質感の向上と共に、より快適で使いやすい空間が追求されました。
    • パワートレインは、K6A型エンジン(自然吸気DOHC VVT、リーンバーン仕様、DOHCターボ)と、経済性に優れたF6A型エンジン(バンモデル用SOHC)をラインナップ。一部グレードにはCVTも設定されました。「アルトワークスRS/Z」はK6A型DOHCターボエンジンを搭載し、そのハイパフォーマンスは健在でした。レトロ調デザインの「アルトC」も派生モデルとして登場。

6代目 アルト (HA24S/HA24V型)

  • 販売期間:2004年9月 – 2009年12月
  • 型式:HA24S (乗用 FF/4WD), HA24V (バン FF/4WD)
  • 特徴:
    • 「毎日にもっと『!』を」をテーマに、日常の使いやすさと経済性、そして親しみやすいシンプルなデザインを追求した6代目。この世代では、一時的に「アルトワークス」がラインナップから消え、より実用性と経済性を重視するユーザー層に焦点を当てたモデルとなりました。
    • エクステリアは、クリーンでシンプルなラインと、愛嬌のある丸型ヘッドライトが特徴。視認性や取り回しの良さを重視した、実直なデザインが採用されました。
    • プラットフォームを刷新し、ボディ剛性の向上と静粛性の改善が図られました。インテリアも、シンプルながら使い勝手の良いデザインと、豊富な収納スペースが特徴。
    • パワートレインは、全車K6A型DOHC VVTエンジン(自然吸気)に統一され、トランスミッションは5MT、3AT、4ATが設定されました。優れた燃費性能と扱いやすさで、日常の足としての役割を堅実に果たしました。商用の「アルトバン」も引き続きラインナップ。

7代目 アルト (HA25S/HA25V/HA35S型)

  • 販売期間:2009年12月 – 2014年12月
  • 型式:HA25S (乗用 FF/4WD), HA25V (バン FF/4WD), HA35S (アルトエコ FF/4WD)
  • 特徴:
    • 「Ecology & Economy(エコロジー&エコノミー)」を開発コンセプトに掲げ、徹底した軽量化とパワートレインの効率化により、クラストップレベルの低燃費を追求した7代目。まさに、環境性能を最重要視した時代の要請に応えるモデルでした。
    • エクステリアデザインは、空力性能を意識した流麗なフォルムと、シンプルでモダンなディテールが特徴。プラットフォームも新開発され、大幅な軽量化を実現しました。
    • この世代の最大のハイライトは、2011年12月に追加された「アルトエコ(HA35S型)」です。新開発のR06A型エンジンに、アイドリングストップシステムや「エネチャージ」に繋がる減速エネルギー回生技術などをいち早く採用し、JC08モード燃費30.2km/L(当時)という驚異的な数値を達成。その後のスズキの低燃費技術の礎を築きました。
    • 標準モデルはK6A型エンジンを搭載し、CVTを積極的に採用することで燃費性能を向上。日常の足としての経済性と実用性を高いレベルで両立させました。

8代目 アルト (HA36S/HA36V型)

  • 販売期間:2014年12月 – 2021年12月
  • 型式:HA36S (乗用 FF/4WD), HA36V (バン FF/4WD)
  • 特徴:
    • 「“ALTO”の原点に戻り、誰もが納得する優れた実用性と低いランニングコストのクルマ」を目指し、基本性能を徹底的に磨き上げた8代目。新開発プラットフォームの採用と徹底した軽量化により、車両重量は先代比で約60kgもの軽量化を達成しました。
    • エクステリアデザインは、初代を彷彿とさせるシンプルでクリーンなラインと、どこか懐かしさを感じさせるレトロモダンな雰囲気が特徴。個性的なヘッドランプ形状も話題となりました。
    • パワートレインは、改良型のR06A型エンジン(自然吸気)を搭載。スズキ独自の低燃費技術「エネチャージ」や、マイルドハイブリッドシステム「S-エネチャージ」を一部グレードに採用し、さらなる燃費向上を実現。トランスミッションには、CVTに加え、5速MTベースの自動変速機「AGS(オートギヤシフト)」も設定されました。
    • そして、この世代の最大のニュースは、2015年12月にファン待望の「アルトワークス」が復活したことです。専用チューニングのR06A型ターボエンジン、ショートストローク5MT/AGS、専用サスペンション、レカロシートなどを装備し、軽ホットハッチの真髄を見せつけました。また、より気軽に走りを楽しめる「アルトターボRS」もラインナップされました。安全装備も「レーダーブレーキサポートII」や、後期型では「デュアルセンサーブレーキサポート」へと進化。

9代目 アルト (HA37S/HA97S型)

  • 販売期間:2021年12月 – 現在 (2025年5月時点)
  • 型式:HA37S (乗用 FF/4WD マイルドハイブリッド), HA97S (乗用 FF/4WD ガソリン)
  • 特徴:
    • 「気軽、安心、愛着」をコンセプトに、日常の使いやすさと経済性、そして現代に求められる安全性能を追求した9代目。先代の美点を継承しつつ、内外装デザインや快適性、安全性をさらに進化させました。
    • エクステリアは、先代のイメージを踏襲しつつ、より丸みを帯びた親しみやすいデザインへとリファイン。楕円形のモチーフを内外装の随所に取り入れ、柔らかな印象と愛着の湧くスタイルを演出。2トーンルーフ仕様も設定されています。
    • スズキの軽量高剛性プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を継続採用。インテリアは、デニム調シート表皮(一部グレード)や落ち着いたカラーコーディネートで、居心地の良い空間を追求。視認性に優れたメーターや、大型ディスプレイオーディオ(オプション設定)にも対応します。
    • パワートレインは、乗用モデル全車にISG(モーター機能付発電機)を用いたマイルドハイブリッドシステムを搭載(一部商用ベースグレード除く)。エンジンは高効率なR06D型(一部R06A型も使用)と組み合わされ、優れた燃費性能と軽快な走りを両立。トランスミッションは主にCVTが組み合わされます。
    • 安全性能では、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を全車標準装備(一部商用ベースグレード除く)。夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、誤発進抑制機能(前後)、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシストなどを搭載。アダプティブクルーズコントロール(ACC)は設定されていませんが、日常の安全運転をきめ細かくサポートします。2025年5月現在、多くのユーザーに支持されるベーシック軽自動車として、その役割を担い続けています。残念ながら、この世代ではまだ「ワークス」の復活はアナウンスされていません。
  • スズキ アルト(9代目)のユーザー評価と詳細レビューはこちら

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