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三菱 デリカD:5の概要
三菱 デリカD:5は、半世紀以上にわたるデリカシリーズの血統を受け継ぎ、2007年に登場して以来、日本の自動車市場において「オールラウンドミニバン」という、他に類を見ない独自のカテゴリーを切り拓いてきた存在です。ミニバンならではの広大な室内空間と多人数乗車、そして両側スライドドアがもたらす優れた実用性を備えながら、その骨格には三菱が世界で鍛え上げたSUVづくりのノウハウが息づいています。
歴代デリカから続くDNAは、オンロードでの快適な走行性能を確保しつつも、雪道や悪路といったタフな環境でこそ真価を発揮する、その圧倒的な走破性。電子制御4WDシステムと堅牢なボディ構造は、いかなる状況でもドライバーに深い安心感を与えてくれます。2019年の大幅改良では、力強いクリーンディーゼルエンジンと、三菱のデザイン思想「ダイナミックシールド」を得てその個性はさらに先鋭化。デリカD:5は、家族と冒険を共にする、唯一無二の頼れるパートナーなのです。
三菱 デリカD:5の歴代モデル概要
初代 デリカD:5 (CV#W型)
- 販売期間:2007年1月 – 現在 (2025年6月時点)
- 型式:CV1W (ディーゼル), CV2W (2.0Lガソリン), CV4W (2.0Lガソリン), CV5W (2.4Lガソリン) など
- 特徴:
デリカD:5は、2007年のデビューから現在まで、単一世代でありながら、2019年に内外装からパワートレインに至るまで、フルモデルチェンジに匹敵する大規模なマイナーチェンジを実施しており、その歴史は大きく前期と後期に分けられます。-
前期(2007年1月 – 2018年)
- 「ミニバンの優しさとSUVの力強さの融合」をコンセプトに、先代デリカ スペースギアのFRベースのキャブオーバーから、アウトランダーと共通のFFベースのプラットフォームを用いたモノコックボディへと大変貌。これにより、オンロードでの操縦安定性と快適性を大幅に向上させました。
- エクステリアは、スクエアで堅牢さを感じさせる、いかにもデリカらしいタフなデザイン。インテリアは、機能性を重視した直線基調のインパネが特徴でした。
- ボディ構造には、環状骨格構造「リブボーンフレーム」を採用。高いボディ剛性と衝突安全性能を実現し、デリカならではの安心感を提供しました。
- パワートレインは、当初2.4L MIVECガソリンエンジン「4B12」型とINVECS-III 6速スポーツモードCVTの組み合わせが主力。後に、より経済的な2.0Lガソリンエンジン搭載のFFモデルも追加。そして2013年には、待望の2.2Lクリーンディーゼルターボエンジン「4N14」型搭載モデルが追加され、その力強いトルクと経済性で高い人気を博しました。
- 4WDシステムには、電子制御4WDを採用。「2WD」「4WDオート」「4WDロック」の3つのモードをダイヤルで選択でき、日常走行から雪道、悪路まで、幅広いシーンに対応する高い走破性を誇りました。
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後期(2019年2月の大規模改良以降)
- 2019年2月に実施されたのは、自動車業界でも稀に見る大規模なマイナーチェンジでした。特にフロントフェイスは、三菱の新しいデザイン思想「ダイナミックシールド」を全面採用し、縦型のマルチLEDヘッドライトと組み合わせることで、よりモダンで圧倒的な存在感を放つ表情へと生まれ変わりました。
- インテリアも、インストルメントパネルのデザインを一新。上質な素材と水平基調の伸びやかなデザインにより、質感と使いやすさが大幅に向上しました。
- パワートレインは、日本国内向けモデルでは、大幅に改良された2.2Lクリーンディーゼルターボ「4N14」型エンジンに、新開発の8速スポーツモードA/Tを組み合わせたものに一本化。尿素SCRシステムを採用し、排出ガスをクリーン化するとともに、より静かでスムーズ、かつ力強い走行性能を実現しました(ガソリンモデルは販売終了)。
- 安全性能では、予防安全技術「e-Assist」を大幅に進化。衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)や、レーダークルーズコントロールシステム(ACC)、車線逸脱警報システム(LDW)などを搭載し、現代のミニバンとして求められる高い安全性を確保しました。
- 2025年現在も、この唯一無二のコンセプトは多くの熱心なファンに支持され、アウトドアテイストを強めた特別仕様車「JASPER」や、ウインタースポーツ仕様「CHAMONIX」などが定期的にリリースされ、高い人気を維持しています。
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