【音声配信】レクサス ES歴代モデルの概要
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目次
レクサス ESの概要
レクサス ESは、1989年のレクサスブランド創設時からフラッグシップモデルLSと共にその歴史を歩んできた、ブランドの中核を成す前輪駆動(FF)の高級セダンです。長年にわたり主に北米市場などで絶大な人気を博し、レクサスの世界的な成功を支えてきましたが、日本では2018年に登場した7代目にして、初めて正式導入されました。その背景には、FFレイアウトならではの広々とした室内空間と、卓越した快適性への強いニーズがありました。
歴代ESを貫くのは、他の何にも代えがたい「静粛性」と、路面の凹凸をしなやかにいなす「快適な乗り心地」への徹底したこだわりです。上質な素材で丹念に仕立てられたインテリアは、乗員に至上のリラクゼーションを提供。最新世代では、高効率なハイブリッドシステムによる滑らかな走行性能と優れた燃費性能も加わり、レクサスが追求する「おもてなしの心」を体現する、知的で洗練されたラグジュアリーセダンとして、独自の確固たる地位を築いています。
レクサス ESの歴代モデル概要
初代 ES (V20型 – 日本未発売)
- 販売期間(北米):1989年 – 1991年
- モデル名/型式:ES250 (VZV21)
- 特徴:
- LS400と共にレクサスブランドの創設を担った、記念すべき初代モデル。日本では「カムリプロミネント」をベースとしており、4ドアピラードハードトップのスタイリッシュなボディが特徴でした。
- パワートレインには、2.5L V型6気筒「2VZ-FE」型エンジンを搭載。FFレイアウトによる広い室内空間と、レクサスならではの上質な内外装、そして静かで快適な乗り心地を提供し、新たなプレミアムブランドの価値を提示しました。
2代目 ES (XV10型 – 日本未発売)
- 販売期間(北米):1991年 – 1996年
- モデル名/型式:ES300 (VCV10)
- 特徴:
- 日本では「ウィンダム」(初代)として販売されたモデルをベースに、ボディサイズを拡大し、より堂々としたスタイリングへと進化。初代を大きく上回る成功を収め、レクサスのベストセラーセダンとしての地位を確立しました。
- パワートレインは、3.0L V型6気筒「3VZ-FE」型エンジンへと排気量を拡大。静粛性と動力性能に一層磨きをかけました。
- 内外装の質感も飛躍的に向上し、快適性と豪華さで高い評価を得ました。
3代目 ES (XV20型 – 日本未発売)
- 販売期間(北米):1996年 – 2001年
- モデル名/型式:ES300 (MCV20)
- 特徴:
- 日本の「ウィンダム」(2代目)をベースとし、先代の成功を基に、より洗練されたデザインと快適性を追求。プラットフォームを刷新し、軽量化と高剛性化を両立させました。
- エクステリアは、より流麗でエレガントなスタイリングへと進化。インテリアも、上質な素材と人間工学に基づいた設計で、豪華さと使いやすさを向上させました。
- パワートレインには、VVT-i(可変バルブタイミング機構)を備えた3.0L V型6気筒「1MZ-FE」型エンジンを搭載し、性能と燃費を向上。アダプティブ・バリアブル・サスペンション(AVS)も設定されるなど、乗り心地も進化しました。
4代目 ES (XV30型 – 日本未発売)
- 販売期間(北米):2001年 – 2006年
- モデル名/型式:ES300/ES330 (MCV30/MCV31)
- 特徴:
- 日本の「ウィンダム」(3代目)をベースとした最後の世代。より大型で存在感のある、個性的なデザインへと変貌を遂げました。
- パワートレインは、当初3.0L V6「1MZ-FE」型エンジンを搭載した「ES300」、後に3.3L V6「3MZ-FE」型エンジンへと排気量を拡大した「ES330」が登場。トランスミッションも5速ATへと進化しました。
- パノラマガラスルーフやDVDナビゲーションシステム、マークレビンソンプレミアムサウンドシステムなど、豪華装備を多数採用し、プレミアムセダンとしての魅力を一層高めました。
5代目 ES (XV40型 – 日本未発売)
- 販売期間(北米):2006年 – 2012年
- モデル名/型式:ES350 (GSV40)
- 特徴:
- レクサスのデザインフィロソフィー「L-finesse」に基づき、よりダイナミックで洗練されたエクステリアデザインを採用。この世代から、日本国内での兄弟車「ウィンダム」は廃止され、ESは完全に独立したグローバルモデルとなりました。
- パワートレインは、新開発の3.5L V型6気筒「2GR-FE」型エンジンに6速ATを組み合わせ、動力性能を大幅に向上させました。
- プッシュスタートシステムや、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムなど、先進技術を積極的に導入。快適性と安全性を高次元で両立させました。
6代目 ES (XV60型 – 日本未発売)
- 販売期間(北米):2012年 – 2018年
- モデル名/型式:ES350 (GSV60), ES300h (AVV60)
- 特徴:
- レクサスの新たなデザインアイコンである「スピンドルグリル」を初めて採用し、よりアグレッシブで存在感のある表情へと進化。エクステリアは、流麗さとダイナミズムを両立させました。
- この世代最大のトピックは、ESとして初めてハイブリッドモデル「ES300h」が設定されたことです。2.5Lアトキンソンサイクルエンジンとモーターを組み合わせた「レクサス・ハイブリッド・ドライブ」を搭載し、優れた燃費性能と、ESならではの静かで滑らかな走行性能を実現。以降、ESの主力モデルとなります。
- 3.5L V6ガソリンエンジン搭載の「ES350」も継続設定。インテリアも、水平基調の伸びやかなデザインと上質な素材で、快適な空間を演出しました。
7代目 ES (XZ10型)
- 販売期間(日本):2018年10月 – 現在 (2025年6月時点)
- 型式:AXZH10/AXZH11 (ES300h)
- 特徴:
- 「GA-Kプラットフォーム」(TNGA-K)をベースに、デザイン、走り、安全性の全てを刷新し、満を持して日本市場に初めて正式導入された7代目。低重心で伸びやかな、クーペのような流麗なプロポーションを実現しました。
- エクステリアは、スピンドルグリルをより洗練させ、シャープなLEDヘッドランプと組み合わせることで、エレガントでありながらダイナミックな表情を創出。インテリアは、「Tazuna Concept」の思想を取り入れた、ドライバー中心でありながら開放感のある空間が特徴。上質な素材と匠の技による作り込みは、まさにレクサスの真骨頂です。
- 日本仕様は、当初より2.5Lダイナミックフォースエンジン「A25A-FXS」を核とする新世代のハイブリッドシステム「レクサス・ハイブリッド・ドライブ」を搭載した「ES300h」に一本化。優れた燃費性能と、リニアで心地よい走行フィールを両立しています。
- 安全性能では、第2世代の予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」を搭載。世界で初めて量産車に採用された「デジタルアウターミラー」(オプション設定)も大きな話題となりました。乗り心地と静粛性はさらに磨き上げられ、まさに「小さなLS」と呼ぶにふさわしい快適性を実現。2021年以降の改良では、タッチディスプレイの採用による操作性向上や、安全装備の機能向上などが図られ、商品力を維持し続けています。