トヨタ / MODEL HISTORY
ハリアー
目次
ハリアーとは
ハリアーの出発点は、SUVを『悪路のための道具』から『街で上質に乗る車』へ置き換えたことにあります。1997年の初代は、高い着座位置や荷室といったSUVの利点を残しながら、静粛性や乗り心地、内装の質感を高級セダンの感覚へ近づけました。歴代を比べるときも、走破性の強さより、街乗りの快適さと上質さをどんな方法で磨いた世代なのかを見る方が、ハリアーらしさをつかみやすくなります。
2代目では、その上質さを装備だけでなく足回り・安全・電動化へ広げました。電子制御エアサスペンションや当時先進的だったプリクラッシュセーフティ、さらに3.3L V6ハイブリッド+E-Fourを加えたことで、ハリアーは『豪華なSUV』から『新しい技術を早く取り込む高級クロスオーバー』へ進みます。中古車で2代目を見るときは、見た目よりV6、AIRS、ハイブリッドといった機構の違いが、その車の性格と維持費を大きく左右します。
3代目は、先進性を保ちながら日本での扱いやすさへ軸足を移した世代です。ボディをむやみに大きくせず、後席空間と取り回しを両立し、2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッド、後期には2.0Lターボまで用意しました。ここからは『排気量が大きいほど上級』ではなく、燃費、走り、安全装備、車体サイズのどこを優先するかでハリアーを選ぶ時代になります。2017年改良前後で安全支援と動力系が大きく変わるため、中古車では前期・後期の意味がはっきりしています。
4代目はGA-Kプラットフォームで乗り味の土台を作り直し、電動化と安全支援をさらに日常へ近づけました。ハイブリッドに加えてPHEVを設定し、2025年以降はToyota Safety Senseの支援範囲を拡大、2026年には給電機能も強化しています。現行型は『最新だから選ぶ』のではなく、燃費、給電、充電環境、安全支援をどこまで使うかで価値が変わる世代です。新車のハイブリッドと、高年式中古のガソリン/PHEVを同じ4代目として比較できることも、現在のハリアー選びの特徴になっています。
ハリアーを30秒で理解
- 初代登場
- 1997年
- 歴代
- 4世代
- ハリアーの基本
- 初代の2.2L/3.0Lガソリンから、2代目の3.3LハイブリッドE-Four、3代目の2.0Lターボ、4代目の2.5Lハイブリッド/PHEVへ発展。高級SUVとして先進安全と電動化を早く取り込んできた
- ボディの変遷
- SUVの機能と高級セダンの快適性を融合した初代から、国内最適化を進めた3代目、TNGA GA-Kを採用した4代目へ。5ドア・5人乗りの流麗なクロスオーバーという役割は一貫
- 現行世代
- 4代目 MXUA80
ハリアーらしさはどこにある?
SUVに高級セダンの価値を持ち込み、新しいジャンルを作った
初代は2.2L直4と3.0L V6、FFとフルタイム4WDを用意し、SUVの実用性に静粛性、快適性、オンロードでの操縦性を重ねました。トヨタ自身が「スポーツ ユーティリティ サルーン」と表現したように、悪路を走るためだけではないSUVを最初から狙っています。ハリアーを歴代で比較するときは、走破性の強さより“街で上質に使えるSUV”をどう磨いてきたかを見ると車種の軸が分かります。
先進安全を早く採り入れたことが、ハリアーの上級感を支えた
2代目は2003年にレーダー方式プリクラッシュセーフティやインテリジェントAFSを採用し、当時の先端技術を高級SUVの価値へ直接結び付けました。3代目はパノラミックビューモニターやステアリング制御付LDAを導入し、2017年にはToyota Safety Sense Pを設定。4代目ではToyota Safety Senseを標準化し、改良のたびに検知・支援範囲を広げています。装飾の豪華さだけでなく、運転を支える機能の新しさが年式選びに効く車種です。
電動化は2005年のハイブリッドからPHEVまで段階的に広がった
2代目では3.3L V6+THS II+E-Fourのハリアーハイブリッドを2005年に追加し、動力性能と低燃費を同時に狙いました。3代目では2.5Lハイブリッドを継承し、4代目では2WDハイブリッドも選べるようになり、2022年にはPHEVを設定。電動化の役割が“高性能な4WDハイブリッド”から“日常燃費・駆動方式・充電環境に合わせて選ぶパワートレイン”へ広がってきたことが世代差として表れています。
流麗な外観を守りながら、世代ごとに日常の扱いやすさを詰めてきた
ハリアーは歴代を通じて低く流れるようなサイドビューや上質な室内を重視してきましたが、3代目ではボディを小型化しながら後席ひざ前空間を拡大し、最小回転半径5.3mを実現しました。4代目は全幅1,855mmへ広がった一方、デジタルインナーミラーやパノラミックビューモニターなど視界支援を充実。見た目の伸びやかさと、日常で扱うための工夫を両立させることがハリアーらしいパッケージの作り方です。
歴代ハリアー比較
| 世代 | 販売期間 | 型式 | この世代を一言で |
|---|---|---|---|
| 初代 | 1997年12月~2003年2月 | SXU10W | 初代SXU10W/MCU10W系は、SUVの実用性と高級セダンの静粛性・快適性を融合して「スポーツ ユーティリティ サルーン」という新ジャンルを提案した、ハリアーの原点です。 |
| 2代目 | 2003年2月~2013年7月 | ACU30W | 2代目ACU30W/MCU30W系は、新設計プラットフォーム、世界初のレーダー方式プリクラッシュセーフティ、AIRS、後の3.3LハイブリッドE-Fourを採用し、高級・先進・洗練を強く打ち出した世代です。 |
| 3代目 | 2013年12月~2020年6月 | ZSU60W | 3代目ZSU60W/AVU65W系は国内市場に合わせて取り回しと室内を再設計し、2.0Lガソリン/2.5Lハイブリッドからスタート。2017年に2.0LターボとToyota Safety Sense Pを追加して選択肢を広げました。 |
| 4代目 | 2020年6月~現行 | MXUA80 | 4代目MXUA80/AXUH80系はTNGA GA-Kを採用し、2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッドで登場。2022年にPHEVを加え、2025~2026年の改良で安全・給電・特別仕様を更新した現行世代です。 |
ハリアーの世代別詳細
各世代の型式、ボディ、特徴、向いている人、選ぶときの確認点を同じフォーマットで比較できます。
- 型式
- SXU10W
- 主なボディ
- 5ドア高級クロスオーバーSUV
- この世代を一言で
- 初代SXU10W/MCU10W系は、SUVの実用性と高級セダンの静粛性・快適性を融合して「スポーツ ユーティリティ サルーン」という新ジャンルを提案した、ハリアーの原点です。
POINTこの世代のポイント
- 1997年12月25日に発売された初代は、SUVの最低地上高や悪路対応力を保ちながら、高級セダンのパワー、操縦安定性、静粛性、快適性を組み合わせました。トヨタが「スポーツ ユーティリティ サルーン」と呼んだ通り、仕事やアウトドアの道具だけではない上質なSUVを商品化したことが、この世代の最大の役割です。
- 発売時は5S-FE型2.2L直4と1MZ-FE型3.0L V6を用意し、FFとフルタイム4WDを設定しました。3.0Lは220PS、2.2Lは140PSで、どちらも4AT。高性能一点ではなく、価格と動力性能、駆動方式を組み合わせて選べる構成だったため、初代から“上級SUVでも用途に合わせて仕様を選ぶ”という幅を持っていました。
- 全長4,575mm・全幅1,815mmの5ドアボディに5人乗りの室内をまとめ、GパッケージやSパッケージなど装備違いも設定しました。高い着座位置を持ちながら、革巻きステアリングやJBLオーディオ、パワーシートなど乗用車的な装備を盛り込んだことで、SUVの機能と高級感を同じ車で求める層に新しい選択肢を作っています。
- 2000年11月のマイナーチェンジでは直4を2.2Lから2.4L 2AZ-FEへ変更し、内外装を更新するとともに専用サスペンションのiRバージョンを追加しました。前期の原点らしい構成と、後期の動力・装備を磨いた仕様では性格が異なります。初代を選ぶなら年式だけでなく、2.2Lか2.4Lか、3.0Lか、iRかまで分けて見ると狙いが定まります。
FITこんな人に向いている
初代ならではの軽快なサイズ感と、都市型高級SUVの原点そのものを楽しみたい人へ。初代が合うのは、最新の安全支援や燃費性能よりも、ハリアーがまだ小さく、機械的にも素朴だった頃の雰囲気を楽しみたい人です。前期の2.2L、後期の2.4L、3.0L V6、FF/4WDで乗り味は変わりますが、選ぶ基準はスペックの上下ではありません。軽いサイズ感を生かして街で乗りたいのか、V6の余裕を味わいたいのか、iRバージョンの引き締まった足回りに価値を置くのかで狙う個体が変わります。年式が古いぶん、装備の多さよりも、きちんと整備され今後も維持できる個体を選べる人に向く世代です。
CHECK選ぶときに見るポイント
初代を中古で見るなら、1997~2000年の2.2L/3.0L前期と、2000年11月以降の2.4L/3.0L後期を分けて考えるのが出発点です。FFとフルタイム4WDもあるため、型式とエンジン、駆動方式を車検証で照合してください。年数が経っているので、外装の艶よりも冷却系、オイル漏れ、ATの変速、4WD系の異音、パワーシートや電装品の作動を優先して点検したい世代です。iRバージョンなど足回りが異なる仕様は、純正状態か改造歴があるかまで見ると、乗り味と維持費の見通しを立てられます。
- 型式
- ACU30W
- 主なボディ
- 5ドア高級クロスオーバーSUV
- この世代を一言で
- 2代目ACU30W/MCU30W系は、新設計プラットフォーム、世界初のレーダー方式プリクラッシュセーフティ、AIRS、後の3.3LハイブリッドE-Fourを採用し、高級・先進・洗練を強く打ち出した世代です。
POINTこの世代のポイント
- 2003年2月17日の2代目は、初代が作ったラグジュアリーSUV像をさらに先進技術へ広げました。新設計の高剛性プラットフォームと4輪独立懸架を採用し、AIRSには電子制御エアサスペンションも設定。高級感を内装だけで表現するのではなく、操縦安定性と乗り心地を車体・足回りから高める方向へ踏み込んだ世代です。
- 発売時は2.4L直4と3.0L V6、FFとフルタイム4WDを用意し、3.0Lには5速ATを採用しました。2006年には3.0Lを3.5L V6へ更新し、動力性能を高めています。2.4Lの扱いやすさ、V6の余裕、AIRSの乗り味と複数の性格が共存するため、中古車ではグレード名だけでなくエンジンとサスペンションをセットで見る必要があります。
- 安全技術では、ミリ波レーダーで衝突不可避を判断してシートベルトとブレーキアシストを作動させる世界初のレーダー方式プリクラッシュセーフティをAIRSに設定しました。インテリジェントAFSやフロント&サイドモニターなども導入され、ハリアーの上級感を“豪華装備”だけでなく、当時の先進運転支援まで含めて作る流れがここで定着しています。
- 2005年3月には3.3L V6+THS II+E-Fourのハリアーハイブリッドを追加し、システム出力200kW(272PS)と低燃費を両立しました。これはハリアーにとって初の本格電動化であり、後の3代目・4代目ハイブリッドへ続く重要な節目です。2代目を選ぶ意味は、ガソリンの上級SUVだけでなく、初期の高性能ハイブリッドSUVという個性も比較できる点にあります。
FITこんな人に向いている
V6やAIRS、初代ハリアーハイブリッドなど、機構の個性と先進装備を重視するなら。2代目は2.4L/3.0Lガソリンで始まり、2005年に3.3LハイブリッドE-Four、2006年には3.5L V6を追加しました。電子制御エアサスペンションのAIRSや初期のプリクラッシュセーフティなど、当時の上級装備も魅力です。機構が多彩なぶん、中古車ではエンジンや駆動方式だけでなく、AIRSか通常サスペンションか、ハイブリッドかまで先に決めて探す必要があります。
CHECK選ぶときに見るポイント
2代目の大きな分岐は、発売時の2.4L/3.0Lガソリン、2005年3月追加の3.3LハイブリッドE-Four、2006年1月以降の2.4L/3.5Lガソリンです。AIRSは電子制御エアサスペンションを持つため、車高変化や警告灯、コンプレッサー作動を実車で確かめたいところです。ハイブリッド車では駆動用バッテリーやE-Fourの状態、ガソリン車ではATや冷却系を含めて整備履歴を確認してください。装備の多い上級車だけに、購入価格だけでなく電動装備やサスペンションの修理余地まで含めて個体を比べることが大切です。
- 型式
- ZSU60W
- 主なボディ
- 5ドア高級クロスオーバーSUV
- この世代を一言で
- 3代目ZSU60W/AVU65W系は国内市場に合わせて取り回しと室内を再設計し、2.0Lガソリン/2.5Lハイブリッドからスタート。2017年に2.0LターボとToyota Safety Sense Pを追加して選択肢を広げました。
POINTこの世代のポイント
- 2013年12月2日に発売された3代目は、歴代の高級クロスオーバーSUVという軸を守りながら、国内市場で扱いやすい寸法へパッケージを見直しました。全長・全幅・ホイールベースを短縮しつつ後席ひざ前空間を47mm広げ、最小回転半径5.3mを実現。大きさで高級感を示すのではなく、室内のゆとりと取り回しを同時に整えたことがこの世代の特徴です。
- 発売時の2.0Lガソリンは3ZR-FAE+Super CVT-iでFF/4WDを設定し、2014年1月15日から2.5L 2AR-FXE+THS II+E-Fourのハイブリッドも加わりました。ガソリンの価格・扱いやすさと、ハイブリッドの燃費・電動4WDを選べる構成で、2代目より国内ユーザーが用途に合わせて比較できるパワートレイン構成になっています。
- パノラミックビューモニター、ステアリング制御付LDA、プリクラッシュセーフティなどを設定し、静粛性やFADショックアブソーバーも含めて上質な乗り味を追求しました。歴代ハリアーが持っていた“先進装備を上級感につなげる”考え方を、より日常的な駐車・運転支援へ広げた世代といえます。
- 2017年6月のマイナーチェンジでは2.0L直噴ターボを追加し、Toyota Safety Sense Pを採用。9月にはGR SPORTも設定されました。前期のガソリン/ハイブリッド、後期のターボ、安全支援拡充、スポーティ仕様まで一つの世代で性格が広がっているため、中古車では2017年を境に“何を重視するか”を決めて選ぶと違いが明確です。
FITこんな人に向いている
現行型より価格を抑えつつ、2.0L・ハイブリッド・ターボを用途で選びたいなら。3代目は国内専用車としてパッケージを見直し、2.0LガソリンはFF/4WD、ハイブリッドはE-Fourを設定しました。2017年以降なら2.0L直噴ターボとToyota Safety Sense Pが加わり、GR SPORTも比較できます。流麗な外観は共通でも、前期と後期で動力系・安全装備がかなり違うため、中古車の選択肢が多い世代です。
CHECK選ぶときに見るポイント
3代目では2017年6月のマイナーチェンジを大きな境目として見たいところです。前期は2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッドが中心ですが、後期は2.0L直噴ターボを追加し、Toyota Safety Sense Pも採用しました。2017年9月以降にはGR SPORTもあるので、快適性重視か、ターボの動力性能か、専用足回りのスポーティ仕様かを先に決めると候補を絞れます。パノラミックビューモニターなど装備差も大きいため、年式だけでなく実車の安全・視界支援装備まで確認したい世代です。

- 型式
- MXUA80
- 主なボディ
- 5ドア高級クロスオーバーSUV
- この世代を一言で
- 4代目MXUA80/AXUH80系はTNGA GA-Kを採用し、2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッドで登場。2022年にPHEVを加え、2025~2026年の改良で安全・給電・特別仕様を更新した現行世代です。
POINTこの世代のポイント
- 2020年6月17日に登場した4代目はTNGAのGA-Kプラットフォームを採用し、ボディ剛性やサスペンションの取り付け剛性を高めながら低重心化を進めました。流麗なクーペフォルムと上質な室内というハリアーらしさを残しつつ、見た目だけでなく乗り心地と操縦安定性の土台を作り直したことが3代目との大きな違いです。
- 発売時はM20A-FKS 2.0Lガソリン+Direct Shift-CVTをFF/4WD、A25A-FXS 2.5LハイブリッドをFF/E-Fourで設定しました。2代目・3代目のように大排気量V6やターボで性格を分けるのではなく、ガソリンかハイブリッドか、2WDか4WDかを軸に選ぶ構成へ整理されています。日常燃費と駆動方式の優先順位が、そのままグレード選びにつながる世代です。
- 調光パノラマルーフ、前後方録画機能付デジタルインナーミラー、Toyota Safety Senseなどを採用し、“感性品質”と先進装備を同じ商品価値としてまとめました。2022年にはPHEVを追加するとともに安全・コネクティッド機能を更新し、電動化はハイブリッドだけでなく外部充電と給電まで含む使い方へ広がっています。
- 2025年6月にはPHEVへGを追加し、Toyota Safety Senseの検知・支援範囲を拡充。2026年8月の改良ではハイブリッド車にAC100V・1,500Wのアクセサリーコンセントを標準化し、Night Shadeの黒加飾も更新しました。現行型の新車はハイブリッド中心、高年式中古車ではガソリンやPHEVも選べるため、同じ4代目でも年式によって比較するパワートレインが異なります。
FITこんな人に向いている
TNGA世代の乗り味と先進装備を重視し、ハイブリッドを中心に選びたいなら。4代目は2.0Lガソリン、2.5Lハイブリッド、2022年追加のPHEVまで展開してきました。2026年9月時点の公式車種情報ではハイブリッド車が販売中として掲載され、G/Z/Z“Leather Package”とNight Shadeを2WD/E-Fourで選べます。新車ならハイブリッド中心、中古車まで広げればガソリンやPHEVも比較できるため、充電環境と年間走行距離、駆動方式から候補を分けるのが実用的です。
CHECK選ぶときに見るポイント
4代目を比較するなら、2020年発売時、2022年10月のPHEV追加・安全/コネクティッド更新、2025年6月のToyota Safety Sense拡充、2026年8月改良を分けて見ます。初期型では2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッド、2022~2026年8月の高年式中古車にはPHEVもあるため、充電できる環境があるかで選択が変わります。2026年9月時点の公式車種情報ではハイブリッドが販売中で、AC100V・1,500W給電が標準化されています。中古車では調光パノラマルーフ、パノラミックビューモニター、デジタルインナーミラー、安全支援の世代差を実車装備で確認すれば価格差の理由を判断できます。
ハリアーはどう進化してきたか
初代が作ったのは『悪路に強いSUV』ではなく『上質に街で使うSUV』だった
1997年の初代は、SUVの最低地上高や荷室を保ちながら、静粛性、乗り心地、内装、オンロードの操縦性を高級セダンの水準へ近づける発想で登場しました。2代目はその方向を新設計プラットフォームやAIRSで磨き、3代目以降も流麗なデザインと上質な室内を継承しています。歴代を選ぶ際は“オフロード性能がどれだけ上がったか”より、街乗りの快適性をどんな技術で作っているかを比べるとハリアーらしい進化が見えてきます。
排気量の大きさで上級感を出す時代から、電動化で質感を作る時代へ
初代と2代目には3.0L/3.5L V6があり、余裕ある動力性能が上級SUVらしさを支えていました。2005年のハイブリッド追加で電動化が始まり、3代目は2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッドを中心に小排気量化。4代目ではハイブリッドに加えてPHEVまで展開しています。V6の滑らかさや機械的な個性を求めるなら初期世代、燃費やモーター走行、給電まで含めて使いたいなら4代目という世代差があります。
先進安全は『上級グレードの先端装備』から『日常の基本支援』へ変わった
2代目のレーダー方式プリクラッシュセーフティはAIRSへのオプションという先端装備でした。3代目ではパノラミックビューモニターやLDA、2017年からToyota Safety Sense Pを採用し、4代目ではToyota Safety Senseを標準装備。2025年改良では交差点や自動二輪車など検知・支援範囲も広がっています。中古車で安全支援を重視する場合、同じハリアーでも2代目の先駆的装備と、3~4代目の実用的な支援は役割が違うため年式の意味が大きく変わります。
3代目で国内の使いやすさを詰め、4代目では再び大きさと質感を両立
3代目は全長・全幅・ホイールベースを短縮しながら後席空間を広げ、国内で扱いやすい高級SUVへパッケージを組み直しました。4代目は全幅1,855mmへ広がりましたが、GA-Kによる走りの質とパノラミックビューモニターなどの視界支援を充実させています。狭い駐車環境を優先するなら3代目の寸法が魅力になりやすく、現行型の乗り味や先進装備を重視するなら4代目の大きさを受け入れる価値が出てきます。
ハリアーはどの世代を選ぶ?
原点の雰囲気とシンプルな機構を楽しむなら初代
初代は2.2L/2.4L直4と3.0L V6、FF/4WDという比較的シンプルな構成で、ハリアーが高級SUVという新しい市場を作った時代の雰囲気を残しています。2000年改良前後でエンジンと足回り仕様が変わるため、初期デザインを優先するか、2.4L化やiRバージョンを選ぶかで探し方が分かれます。年式が古いぶん、装備より車体と機関の状態を優先できる人向けです。
V6・AIRS・初期ハイブリッドという機構の個性なら2代目
2代目は2.4L、3.0L/3.5L V6、AIRS、3.3LハイブリッドE-Fourまで、一つの世代に多様なメカニズムがあります。現行車にはないV6のフィーリングや電子制御エアサスペンションを求めるなら魅力がありますが、そのぶん故障時の費用も考えておく必要があります。所有する楽しさを機構の個性に求める人ほど、2代目を選ぶ理由が明確です。
価格・取り回し・パワートレインの選択肢を両立するなら3代目
3代目は2.0Lガソリン、2.5Lハイブリッド、後期の2.0Lターボを選べ、現行型より全幅も抑えられています。2017年以降はToyota Safety Sense Pが加わるため、安全支援を重視するなら後期型、価格を抑えるなら前期も候補です。GR SPORTも含めて中古流通の仕様が幅広く、予算と走り、燃費を同じ世代の中で比べたい人に向きます。
最新の乗り味と安全・給電を重視するなら4代目
4代目はGA-K、Toyota Safety Sense、デジタル機能を土台にし、ハイブリッド、ガソリン、高年式中古ならPHEVまで選択肢があります。2026年9月時点の新車は公式車種情報上ハイブリッドが販売中で、AC100V・1,500W給電も標準化。充電設備を使ってPHEVを選びたいなら2022~2026年8月の中古車、新車で燃費・安全・給電をまとめたいなら現行ハイブリッドという分け方が現実的です。
同じ世代でも年式、グレード、駆動方式、改良時期によって仕様は異なります。購入時は実車の状態や装備、整備履歴も含めて確認してください。
ハリアーを選ぶときに確認したいポイント
初代は2000年11月改良前後で直4エンジンが変わる
初代の直4は前期が2.2L 5S-FE、2000年11月以降が2.4L 2AZ-FEです。後期にはiRバージョンも加わるため、同じSXU10W系の見た目だけで候補を比べると狙いが曖昧になります。原点の前期を残したいのか、動力と装備を更新した後期を使いたいのかを先に決めると、年式の古さではなく仕様の意味で個体を比較できます。
2代目はAIRSか通常サスか、ハイブリッドかを最初に分ける
2代目AIRSは電子制御エアサスペンション、ハイブリッドは3.3L V6+E-Fourと、通常の240G/350Gとは維持ポイントが違います。AIRSなら車高制御とコンプレッサー、ハイブリッドなら駆動用バッテリーや電動4WDまで点検対象が増えます。豪華装備の多さだけで選ばず、長く維持できる機構かどうかを自分の予算と合わせて考えると購入後の負担を読めます。
3代目は2017年6月改良で安全と走りの選択肢が大きく変わる
2017年6月以降は2.0LターボとToyota Safety Sense Pが加わり、9月からGR SPORTも選べます。前期の2.0L/ハイブリッドを価格重視で狙うのか、後期の安全支援やターボを優先するのかで中古車の性格ははっきり分かれます。見た目が似た個体でも動力系と支援装備が違うため、年式とエンジン、Toyota Safety Sense Pの有無を一緒に確認してください。
4代目は2022・2025・2026年の改良を、使う機能から逆算する
2022年はPHEV追加とコネクティッド/安全装備更新、2025年はToyota Safety Sense拡充とPHEV G追加、2026年はハイブリッドのAC100V・1,500W給電標準化が主な節目です。充電できるならPHEV、災害時やアウトドアで給電を使うなら2026年ハイブリッド、安全支援を重視するなら2025年以降というように、欲しい機能から年式を逆算すると高年式の価格差に理由を付けられます。
4代目 ハリアー MXUA80
情報確認:2026年8月

ハイブリッド車の給電機能を拡充し、Night Shadeを更新
2026年8月の一部改良では、アクセサリーコンセント(AC100V・1,500W/非常時給電システム+外部給電アタッチメント付)を採用しました。特別仕様車Z“Leather Package・Night Shade”/Z“Night Shade”はホイールナットや外装のブラック加飾をさらに強めています。トヨタ公式車種情報では2026年8月以降のハイブリッド車が販売中として掲載されています。
Toyota Safety Senseを拡充し、PHEVにGを追加
2025年6月の改良では、プリクラッシュセーフティの検知対象・交差点対応、緊急時操舵支援、低速時加速抑制、安心降車アシストなどを拡充しました。PHEVにはGグレードを追加し、ステアリングヒーターや前席シートヒーターなども全グレードで標準化。Night Shadeもこの改良で設定されています。
最新の販売状況、受注状況、グレード構成、価格については、メーカー公式サイトまたは正規販売店で確認してください。
