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BMW / MODEL HISTORY

M3

M3
BMW M3
メーカーBMW
初登場1986年
歴代6世代
現行世代6代目

目次

M3とは

BMW M3は、モータースポーツのために生まれた高性能車を、公道で日常的に使える3シリーズのパッケージへ落とし込んできたMハイ・パフォーマンス・モデルです。起点は1986年の初代E30。ツーリングカー・レースのホモロゲーションを目的にワイドフェンダーや大型スポイラー、4バルブの2.3L直列4気筒を与えられ、当初5,000台を想定した計画を大きく超える支持を集めました。この「サーキット由来の技術を量産車へ戻す」という考え方が、その後のM3にも残り続けています。

世代を重ねるたびにエンジンの姿は大きく変わりました。E30の4気筒から、E36とE46では高回転型の自然吸気直列6気筒へ進み、4代目E9xではM3史上唯一の4.0L V8を採用。5代目F80で3.0L直列6気筒ツインターボへ転換すると、現行G80/G81も同じ基本形式を受け継ぎながら、最高出力は日本仕様の発売時510PSから2024年改良後の530PSまで高められています。世代選びは単なる新旧比較ではなく、どのエンジン世代を味わいたいかで性格がはっきり分かれます。

ボディの役割も固定されてきたわけではありません。初期3世代はクーペがM3の中心でしたが、4代目ではクーペに加えてセダンが日本へ導入され、5代目F80からM3は4ドア・セダンに専念して2ドア系をM4へ分離しました。6代目ではその流れをさらに広げ、G81のM3ツーリングを日本へ初導入。サーキット性能を軸にしながら、後席や荷室を日常で使う人まで選択肢に含める方向へ、M3という名前の守備範囲が変化しています。

駆動方式と変速機を見ると、M3のもう一つの転換が見えてきます。長くFRとMTを基準に発展し、E46のSMG II、E9xとF80のM DCTを経て、現行のCompetition系は8速MステップトロニックとM xDriveが主力です。2024年には日本向け最後のMT車としてM3 MT Final Editionも設定されました。現在のM3は530PSのCompetition M xDriveセダン/ツーリングが中心で、初期世代の機械的な操作感とは違う方法で、強大な出力を扱いやすく路面へ伝えることを重視しています。

M3を30秒で理解

初代登場
1986年
歴代
6世代
M3の基本
ホモロゲーション由来の専用シャシーを起点に、VANOS、SMG/M DCT、CFRP軽量構造、アクティブMディファレンシャル、M xDriveへ発展
ボディの変遷
クーペ中心のE30〜E46から、E9xでセダンを拡大。F80でM3を4ドア・セダンへ整理し、G80/G81ではセダン+ツーリングへ展開
現行世代
6代目 G80/G81

M3らしさはどこにある?

レースのために生まれ、日常で使えることまでM3の条件になった

初代E30はツーリングカー・レースのホモロゲーションを目的に開発され、ワイド化したボディや大型スポイラー、2.3L直列4気筒を備えて誕生しました。一方でBMWは、M3を競技専用車の延長だけにはせず、公道で使える実用性も同時に持たせています。その考え方は、4ドア・セダンのF80や5ドア・ツーリングのG81へ形を変えて継承され、M3らしさは「速いこと」と「普段の移動に持ち込めること」の両立として定着しました。

4気筒、直6、V8、ターボ直6――エンジンの変化が世代の個性をつくる

E30は2.3L直列4気筒、E36とE46は自然吸気直列6気筒、E9xは4.0L V8、F80以降は3.0L直列6気筒ターボという流れです。排気量や気筒数だけでなく、高回転まで使う自然吸気の世代から、低回転域の大きなトルクも使えるターボ世代へ出力特性そのものが変わりました。歴代M3を比べるとき、年式より先にエンジン形式を見ると各世代の走り方の違いを理解しやすい理由がここにあります。

M4との分離で、M3は4ドアの高性能車という役割を深めた

E30からE46まではM3クーペが象徴的な存在でしたが、4代目ではクーペとセダンが並び、2014年のF80からクーペはM4へ独立しました。M3の名前を4ドア・セダンへ集中させたことで、後席を日常的に使える高性能車という立場が明確になります。現行ではG81ツーリングまで加わり、M3は「2ドアのスポーツカーに近い車」から、実用ボディで本格的なM性能を選ぶ車へ役割を広げました。

FRの操作感を核にしながら、強大な出力を扱う方法を更新してきた

初期世代はFRとMTがM3の基本でしたが、E46ではSMG II、E9xとF80ではM DCTが加わり、変速時間を短縮しながら高出力を使い切る方向へ進みました。G80ではCompetitionに8速ATを組み合わせ、2021年にはM3として初めてM xDriveを日本へ導入。後輪駆動を基調にする考え方を残しながらトラクションの余裕を増やしたことで、現行M3は510PS、さらに530PSという出力を公道でも扱いやすい構成へまとめています。

歴代M3比較

世代販売期間型式この世代を一言で
初代1987年1月~1990年11月E30初代E30はレース参戦のホモロゲーションを起点に、2.3L直列4気筒と専用ワイドボディを組み合わせ、M3という車種の基準を作った世代です。
2代目1994年2月~1999年6月E362代目E36は直列6気筒へ転換し、3.0L 286PSから3.2L 321PSへ発展。M3を競技色の濃い特殊車から高性能ロードカーへ広げた世代です。
3代目2001年1月~2007年8月E463代目E46は3.2L自然吸気直6を343PSまで高め、6速MTとSMG IIを設定。CSLでは軽量化まで突き詰め、自然吸気直6M3の完成度を高めた世代です。
4代目2007年9月~2014年2月E90/E92/E934代目E9xはM3史上唯一の4.0L V8を採用し、420PSを発生。クーペに加えて日本ではセダンも展開し、6速MTと7速M DCTを選べた世代です。
5代目2014年7月~2018年12月F805代目F80はM3を4ドア・セダンに整理し、3.0L直6ツインターボへ転換。431PSからCompetition 450PS、CS 460PSへ性能を高めました。
6代目2021年1月~現行G80/G816代目G80/G81は510PSのCompetitionから始まり、M xDriveとM3初のツーリングを追加。2024年改良で530PSへ高めた現行世代です。

M3の世代別詳細

各世代の型式、ボディ、特徴、向いている人、選ぶときの確認点を同じフォーマットで比較できます。

初代M3 E301987年1月~1990年11月
型式
E30
主なボディ
2ドア スポーツクーペ
この世代を一言で
初代E30はレース参戦のホモロゲーションを起点に、2.3L直列4気筒と専用ワイドボディを組み合わせ、M3という車種の基準を作った世代です。

POINTこの世代のポイント

  • M3は1986年、ツーリングカー競技のホモロゲーションを得るための市販車として誕生しました。E30型3シリーズを基礎にしながら、ワイドフェンダー、大型リアスポイラー、空力を意識した専用ボディを採用。通常の3シリーズを速くしたのではなく、レースで戦うために市販車側から作り込んだことが、M3の出発点を決定づけています。
  • 搭載した2.3L直列4気筒は発売当初195PSを発生し、5速MTと後輪駆動を組み合わせました。後のM3で象徴となる直列6気筒ではなく、軽量で高回転まで使える4気筒を選んだのは競技車としての成り立ちが強かったためです。絶対的なパワーよりもボディとエンジンの一体感を重視した世代でした。
  • 当初はホモロゲーションに必要な5,000台の生産を想定していましたが、BMW公式の歴史資料ではカブリオレを含め約18,000台まで生産が広がりました。競技のための限定的な企画が市場でも支持されたことで、M3は一代限りの派生車ではなく、継続する高性能モデルへ変わっていきます。
  • モデル終盤にはEvolution、Sport Evolutionへ発展し、BMW公式資料では最終的に2.5L・238PSまで出力が高められました。同じE30でも初期の195PS仕様と最終高性能仕様では内容が異なるため、初代を探すときは「E30 M3」という世代名だけでなく、どの派生かまで見る必要があります。

FITこんな人に向いている

M3の原点そのものを味わいたいなら。E30は後の世代より小さく軽いボディに、自然吸気4気筒と5速MTを組み合わせたM3です。パワーの絶対値より、ホモロゲーションモデルらしい専用ボディと機械的な操作感が主役。現代のM3とは速さの作り方が根本から違うため、M3の歴史そのものを所有したい人が比較する世代です。

CHECK選ぶときに見るポイント

標準M3とEvolution系、2.5LのSport Evolutionではエンジンや空力部品が同じではありません。日本のカタログで確認できる通常仕様は2.3L・195PSですが、海外仕様や限定派生も中古市場へ入っているため、外観だけで仕様を決めつけないことが重要です。E30を選ぶ場合は、車台番号や仕様由来がその個体の価値と内容を左右します。

2代目M3 E361994年2月~1999年6月
型式
E36
主なボディ
2ドア スポーツクーペ
この世代を一言で
2代目E36は直列6気筒へ転換し、3.0L 286PSから3.2L 321PSへ発展。M3を競技色の濃い特殊車から高性能ロードカーへ広げた世代です。

POINTこの世代のポイント

  • E36をベースにした2代目は1992年に世界で登場し、日本のカタログでは1994年2月からM3クーペが確認できます。初代にあった大きなスポイラーや強く張り出した外観を抑え、3シリーズに近い姿で高性能を内包する方向へ転換。M3をより日常に溶け込む高性能ロードカーへ広げた世代です。
  • 最大の変更はエンジンで、M3として初めて直列6気筒を採用しました。日本導入初期の3.0Lは286PSを発生し、5速MTで後輪を駆動。VANOSや各気筒独立スロットルを使って高回転域まで鋭く回る直6を成立させ、以後長く続く「M3と直6」の結びつきを作りました。
  • 後期には排気量を3.2Lへ拡大し、最高出力321PSへ向上。6速MTに加えて1997年にはSMGも選べるようになり、クラッチ操作を自動化した変速技術がM3へ入り始めます。エンジンだけでなく変速方法も変わるため、E36は前期・後期で体験の差が大きい世代です。
  • BMW公式の歴史資料では、クーペに加えて海外ではセダンとカブリオレも展開され、約7年間で約72,000台が生産されました。競技用ホモロゲーション色の強かったE30から販売規模を大きく広げたことで、M3がBMWの高性能量産モデルとして定着したことを示しています。

FITこんな人に向いている

自然吸気直6の原型と、比較的控えめな外観を重視するなら。E36は初代の4気筒・専用ワイドボディとは違い、外観を3シリーズに近づけながら直列6気筒の性能を大幅に高めました。日本では前半の3.0L 286PSと、後半の3.2L 321PSが大きな分岐です。後のE46より小ぶりなボディで、M3の直6時代が始まった感触を選びたい人に向きます。

CHECK選ぶときに見るポイント

国内仕様では1994年導入の3.0L・286PS・5速MTと、後の3.2L・321PS・6速MT/SMGを分けて見る必要があります。1997年にはSMG装備車も加わり、同じE36でも変速機まで含めて乗り味が変化しました。3.0L前期と3.2L後期のどちらかを先に決めると、候補車の比較がぶれにくくなります。

3代目M3 E462001年1月~2007年8月
型式
E46
主なボディ
2ドア スポーツクーペ
この世代を一言で
3代目E46は3.2L自然吸気直6を343PSまで高め、6速MTとSMG IIを設定。CSLでは軽量化まで突き詰め、自然吸気直6M3の完成度を高めた世代です。

POINTこの世代のポイント

  • E46型を基礎にした3代目は2000年末に世界で登場し、日本では2001年1月に予約受付が始まりました。外観にはパワードーム付きアルミ製ボンネットや専用フェンダーを与え、標準3シリーズとの違いを再び視覚的にも明確化。高性能と日常性を両立するM3の考え方を、クーペとして完成度の高い形にまとめています。
  • 3.2L直列6気筒S54は最高出力343PSを7,900rpmで発生し、高回転型自然吸気エンジンをM3の個性として押し出しました。6速MTに加え、クラッチ操作を自動化してパドルでも変速できるSMG IIを設定。エンジンを回して使う楽しさと、変速技術の新しさが同居したことがE46の特徴です。
  • シャシーではバリアブルMディファレンシャル・ロックを採用し、後輪左右の駆動力を路面状況に応じて制御しました。大きな電子介入で速さを作るのではなく、FRの基本構成を保ちながら機械と制御を組み合わせる考え方で、後のアクティブMディファレンシャルへつながる流れを作っています。
  • 2003年のM3 CSLは最高出力360PSへ高め、CFRPをはじめとする軽量素材を積極採用しました。通常M3の快適性をそのまま残すのではなく、重量を削りサーキットでの応答性を優先したことで、M3に『標準車とは別に軽量高性能版を置く』という後のCS系へ続く考え方を強く印象づけました。

FITこんな人に向いている

高回転型の自然吸気直6をM3の中心として選びたいなら。E46はS54型3.2L直列6気筒の343PSと、比較的コンパクトなクーペボディの組み合わせが中心です。6速MTとSMG IIの違いが大きく、さらにCSLは360PSと軽量構造を持つ別格の派生。自然吸気直6の回転感を重視するなら、歴代の中でも比較の軸が明確な世代です。

CHECK選ぶときに見るポイント

通常M3は6速MTとSMG IIで操作感が大きく異なり、SMG IIは一般的なトルクコンバーターATではありません。2003年のCSLは360PS化に加えCFRPや軽量部品を多用した高性能仕様で、通常車と同じ条件で比べる車ではありません。中古車では、まず通常M3のMT/SMG IIか、CSLかを切り分けると車両の性格を正しく比較できます。

4代目M3 E90/E92/E932007年9月~2014年2月
型式
E90/E92/E93
主なボディ
2ドアクーペ/4ドアセダン
この世代を一言で
4代目E9xはM3史上唯一の4.0L V8を採用し、420PSを発生。クーペに加えて日本ではセダンも展開し、6速MTと7速M DCTを選べた世代です。

POINTこの世代のポイント

  • 4代目は2007年9月15日にM3クーペとして日本で販売を開始し、翌2008年3月にはM3セダンを追加しました。クーペだけに高性能を閉じ込めず、4ドアでも同じM3の駆動系を選べる構成へ広がったことで、スポーツカー的な価値と日常の乗員性を同じ世代内で選び分けられるようになりました。
  • 最大の特徴は、歴代M3で唯一となる4.0L自然吸気V8です。最高出力420PSを8,300rpmで発生する高回転型で、先代の直6から気筒数も音質も回転フィールも大きく変化。次のF80では再び直6へ戻るため、E9xはエンジン形式そのものが購入理由になり得る世代です。
  • 発売時の6速MTに加え、2008年には7速M DCT Drivelogicを導入しました。2つのクラッチを使って駆動力を途切れにくくする方式により、SMGから変速速度と滑らかさを大きく進めています。自分でクラッチを操作するMTと、高速変速のDCTを同じV8で選べたことがE9xの大きな特徴です。
  • クーペではCFRP製ルーフなどの軽量化技術も採用し、高回転V8の重量増を車体側で補う設計が行われました。パワーだけを増やすのではなく、重心や剛性まで含めて専用品を積み上げる方法は、次世代F80でCFRPをさらに広く使う流れへつながっています。

FITこんな人に向いている

歴代で唯一の自然吸気V8と、MT/DCTの選択肢を重視するなら。E9xの核は4.0L V8・420PSで、直6中心のM3史の中では独立した存在です。日本ではE92クーペが先行し、2008年にE90セダンも追加。6速MTと7速M DCTの両方が存在するため、ボディと変速機を組み合わせて選べる最後の自然吸気M3として比較できます。

CHECK選ぶときに見るポイント

E92クーペは2007年9月から国内販売され、E90セダンは2008年3月に追加されました。さらに2008年6月には7速M DCT搭載車が加わるため、初期6MT車とDCT車では操作感が大きく異なります。クーペは国内カタログ上2014年2月まで残っており、セダンの終了時期と同じではない点も年式比較で注意したいところです。

5代目M3 F802014年7月~2018年12月
型式
F80
主なボディ
4ドア スポーツセダン
この世代を一言で
5代目F80はM3を4ドア・セダンに整理し、3.0L直6ツインターボへ転換。431PSからCompetition 450PS、CS 460PSへ性能を高めました。

POINTこの世代のポイント

  • F80は2014年に登場し、日本では同年7月から納車が始まりました。この世代から2ドア・クーペはM4を名乗り、M3は4ドア・セダンへ役割を整理。M3という名前を実用性の高いボディへ集中させたことで、後席を普段使いしながら本格的なM性能を持つという立場がより明確になりました。
  • エンジンは3.0L直列6気筒Mツインパワー・ターボへ変わり、最高出力431PS、最大トルク550Nmを発生しました。E9xの高回転V8から、広い回転域で大トルクを出すターボ直6へ転換したため、アクセルに対する加速の作り方も別物。現在まで続くターボ直6M3の基本形はF80で確立されています。
  • CFRP製ルーフに加え、ドライブシャフトやストラット・ブレースなどにも軽量素材を使い、高出力化と車重管理を同時に進めました。アクティブMディファレンシャルやアダプティブMサスペンションも組み合わせ、FRの走りを電子制御で細かく整える手法が成熟した世代です。
  • 2016年にCompetition Packageが450PS化を実現し、2017年にはM3 Competitionとしてラインアップ化。2018年のM3 CSでは460PS・600Nmまで高められました。標準車からCompetition、CSへ進むほどエンジンだけでなく足回りや軽量化まで変わるため、F80は世代内の仕様選びがそのまま走りの方向性を決めます。

FITこんな人に向いている

ターボ直6の強いトルクと、FR+DCTのM3を求めるなら。F80は自然吸気からターボへ切り替わった最初のM3で、日本仕様は4ドア・セダンと7速M DCTを中心に展開しました。431PSの標準車、450PSのCompetition、460PSのCSと段階が分かれます。現行G80より車体が一回り軽快な世代で、FRのまま大きなターボトルクを使いたい人が比較しやすいM3です。

CHECK選ぶときに見るポイント

F80は標準M3、Competition、CSで中身が明確に異なります。Competitionは450PSに加え専用サスペンションやDSC、アクティブMディファレンシャルの設定を変更し、CSは460PS・600Nmと軽量化をさらに進めた30台限定車です。中古車では外装パーツだけで判断せず、正式な仕様名を起点にすると性能差を取り違えません。

6代目現行世代M3 G80/G812021年1月~現行
BMW M3 6代目
型式
G80/G81
主なボディ
4ドア スポーツセダン/5ドア スポーツツーリング
この世代を一言で
6代目G80/G81は510PSのCompetitionから始まり、M xDriveとM3初のツーリングを追加。2024年改良で530PSへ高めた現行世代です。

POINTこの世代のポイント

  • 6代目M3は2021年1月26日に日本で販売を開始し、M3 Competitionを中心に展開しました。3.0L直列6気筒ターボは510PS・650Nmを発生し、8速Mステップトロニックを採用。F80のターボ直6という骨格を受け継ぎながら、出力と車体寸法、デジタル装備を大幅に引き上げた世代です。
  • 2021年9月にはM3 Competition M xDriveが追加され、M3の量販仕様として初めて4輪駆動を選べるようになりました。通常は後輪側を重視するM専用制御を使い、必要に応じて前輪へ駆動力を配分。FRの旋回感覚を残しながら510PSをより確実に路面へ伝える方法を採ったことが、G80の大きな転換です。
  • 2023年1月にはM3 Competition M xDrive Touringが日本で販売開始となり、M3として初の量産ツーリングを国内へ導入しました。5人乗車と荷室を持つワゴンボディにM3のエンジンとM xDriveを組み合わせたことで、サーキット性能と家族・荷物を載せる用途を同じモデル名で両立できるようになりました。
  • 2024年9月の改良ではCompetition M xDriveの最高出力を20PS高め530PSとし、セダンとツーリングを更新しました。M3 CSやM3 CS Touringといった軽量高性能仕様も加わる一方、日本向けMTは150台限定のMT Final Editionで最後と明示されています。現行世代は性能向上だけでなく、ボディ、駆動方式、限定仕様の選び分けが歴代で最も多いM3です。

FITこんな人に向いている

現行の530PS、M xDrive、ツーリングの実用性まで求めるなら。G80/G81は歴代で最もボディ選択と駆動力の使い方が広がったM3です。セダンとツーリングを選べ、Competition M xDriveは530PSを4輪へ伝達します。最新の運転支援やデジタル装備も含め、日常の使いやすさと非常に高い動力性能を一台でまとめたい場合に比較の中心となる世代です。

CHECK選ぶときに見るポイント

2021年当初のCompetitionは510PSで、同年9月にM xDriveが追加されました。2023年にはツーリング、2024年秋の改良ではセダン/ツーリングとも530PSへ向上しています。さらに6速MTのM3 MT Final EditionやM3 CS、M3 CS Touringは限定仕様なので、G80/G81を探すときは510PSか530PSか、FRかxDriveか、通常車か限定車かを順番に分けると違いが見えます。

M3はどう進化してきたか

ホモロゲーション・モデルから、日常で使える高性能車の基準へ

E30は競技参加のための市販車として始まりましたが、約18,000台が生産される成功によってM3は継続モデルになりました。E36以降はレース由来の技術を保ちながら、外観や快適性を通常の3シリーズへ近づけ、F80では4ドア・セダンに役割を集中。現行G81のツーリングまで来ると、M3の価値はサーキット性能を日常の乗員性・積載性と共存させることへ広がっています。

エンジンは4気筒から直6、V8を経てターボ直6へ

初代の2.3L直4は競技を意識した軽量な高回転型で、E36から自然吸気直6がM3の中心になりました。E46では343PSまで高め、E9xだけは4.0L V8・420PSという独自路線を採用。その後F80でターボ直6へ戻り、現行は530PSに達しています。同じM3でも回転感、音、トルクの出方が世代ごとに大きく異なるため、エンジンの系譜そのものが中古車選びの軸になります。

クーペの象徴から、セダンとツーリングのM3へ

E30からE46まではクーペがM3を象徴し、E9xでセダンが本格的に並びました。F80では2ドア系をM4へ分けたため、M3は4ドア・セダン専用の名前になります。G81ツーリングの追加はさらに大きな変化で、荷室を必要とする生活でもM3を諦める必要がなくなりました。高性能車としての核を変えず、用途に合わせてボディの答えを変えてきた流れです。

MTとFRの時代から、DCT・8AT・M xDriveで速さを引き出す時代へ

初期M3はMTで後輪を駆動するシンプルな構成でした。E46のSMG II、E9xとF80の7速M DCTは変速の高速化を進め、G80では8速ATとM xDriveが主力になります。制御を増やした目的はドライバーの関与を消すことではなく、500PSを超える出力をより安定して路面へ伝えること。2024年のMT Final Editionは、その進化の一方でM3の手動変速の歴史に一区切りを付けたモデルです。

M3はどの世代を選ぶ?

E30・E36は、M3の原点と直6時代の始まりを選ぶ比較

E30は2.3L直4とホモロゲーション由来の専用ボディ、E36は自然吸気直6と控えめな外観が中心です。どちらも現代車とは電子制御の量が大きく違いますが、E30は競技車に近い成り立ち、E36は高性能ロードカーへ広がる転換期という役割が異なります。クラシックM3を選ぶなら、この二つを同じ『古いM3』としてまとめない方が性格をつかみやすくなります。

E46とE9xは、自然吸気の直6かV8かで答えが分かれる

E46は3.2L直6・343PSを高回転まで使い、E9xは4.0L V8・420PSへ一度だけ大きく方向転換しました。E46ではMT/SMG II、E9xではMT/M DCTという変速機の違いもあります。自然吸気M3を探す場合、単純な新しさよりもエンジン形式と変速方法を先に決める方が、欲しい体験に近い車を選べます。

F80はターボ直6とFRを組み合わせた最初の現代型M3

F80は431PSのターボ直6、7速M DCT、アクティブMディファレンシャルを使いながら、駆動方式はFRを維持しました。Competitionの450PS、CSの460PSまで仕様差も明確です。自然吸気世代より大きな低速トルクを使いつつ、現行G80のM xDriveまでは必要としない人にとって、F80は技術的にも位置づけが分かりやすい世代です。

G80/G81はセダンかツーリング、510PSか530PSまで選択肢が広い

現行世代はM xDriveのセダン/ツーリングが中心で、2024年改良後は530PSです。初期510PS車、FR仕様、MT Final Edition、M3 CS、M3 CS Touringまで含めると、同じG8xでも用途と性格はかなり違います。最新世代を選ぶ場合は、ボディ形状、駆動方式、改良前後、限定仕様の順に絞ると比較が整理できます。

同じ世代でも年式、グレード、駆動方式、改良時期によって仕様は異なります。購入時は実車の状態や装備、整備履歴も含めて確認してください。

M3を選ぶときに確認したいポイント

E36は3.0Lと3.2Lでエンジンも変速機も違う

日本導入初期のE36は3.0L・286PSと5速MT、後期は3.2L・321PSと6速MTが基本になり、SMGも加わりました。外観の年式差だけを見るより、どちらのエンジンと変速機を選ぶかで車の性格が大きく変わります。E36を探すときは前期/後期を最初の分岐にすると、価格差の理由も読み取りやすくなります。

E46のSMG IIと6MTは、同じ343PSでも操作感が別物

E46のSMG IIはクラッチを機械が操作するシーケンシャル式で、一般的なATとは構造も作動感も異なります。6MTはドライバーがクラッチまで操作するため、同じS54直6でも運転体験は大きく変わります。CSLはさらに軽量化と360PS化が施された別仕様なので、通常M3の変速機選びとCSL選びは分けて考えるのが自然です。

F80は標準、Competition、CSを馬力だけで比べない

431PSの標準車に対し、Competitionは450PSだけでなくサスペンション、DSC、アクティブMディファレンシャルにも専用設定が入ります。CSは460PS・600Nmと軽量化をさらに進めた限定車です。中古価格に差がある場合、エンジン出力だけでなくシャシーと軽量化まで含む仕様差として見ると、各グレードの位置づけが分かります。

G80/G81は2021年xDrive追加と2024年530PS化が大きな境目

発売初期のCompetitionは510PSで、2021年9月にM xDriveが追加されました。2023年にはツーリング、2024年秋の改良でM xDrive車は530PSへ向上しています。中古車を横断して比べるときは、登録年だけでなくFR/xDrive、セダン/ツーリング、510PS/530PSという三つの軸を合わせると、同じ現行世代でも内容の違いを見落としにくくなります。

現行モデル情報

6代目 M3 G80/G81

情報確認:2026年9月

BMW M3 6代目

M3 CS Touringを日本30台限定で導入

M3 Competition M xDrive Touringをベースに約20PSの出力向上と軽量化を施したM3 CS Touringを日本へ30台限定で導入。注文受付は7月13日まで、納車は2025年11月以降と案内されました。

M3セダン/ツーリングを530PSへ一部改良

Competition M xDriveの3.0L直列6気筒ターボを20PS強化し、最高出力530PSへ変更。アダプティブLEDヘッドライトなども更新し、2024年10月から納車開始と発表されました。

最新の販売状況、受注状況、グレード構成、価格については、メーカー公式サイトまたは正規販売店で確認してください。