BMW / MODEL HISTORY
M5
M5
目次
M5とは
BMW M5は、5シリーズの快適性や実用性を残しながら、BMW Mの高性能エンジンとシャシー技術を組み込んできたハイ・パフォーマンス・セダンです。起点は1984年の初代E28ですが、日本で正規導入されたM5は1991年のE34から。このため日本向けの車種ページでは2代目から始まります。速さだけを独立させず、4ドアの上級セダンとして普段使えることまで含めて成立させる考え方が、歴代M5をつなぐ軸になっています。
日本導入初期のE34は直列6気筒と5速MT、E39は5.0L V8と6速MTへ進み、E60ではM5史上唯一の5.0L V10と7速SMGを採用しました。世代が変わるたびに排気量や気筒数を固定せず、その時代のBMW Mが考える高性能セダンの答えを載せ替えてきたことがM5の特徴です。特にE34からE60までは、自然吸気エンジンの回転フィールとFRという基本構成を保ちながら、エンジンそのものが世代の個性を強く決めています。
F10で4.4L V8ツインターボへ移ると、M5は高回転型自然吸気だけではなく、低回転から大きなトルクを使える時代へ入りました。F90では600PSのV8ターボに8速ATを組み合わせ、M5として初めてM xDriveを採用。必要に応じて2WDモードも選べる構成にすることで、FRの操作性を意識しながら強大な出力を路面へ伝える方法を変えています。CompetitionやCSも加わり、通常車の日常性とサーキット寄りの性能を同じ世代内で選べるようになりました。
現行G90/G99はさらに大きな転換で、M5として初めてプラグイン・ハイブリッドのM HYBRIDを採用しました。4.4L V8と電気モーターを組み合わせたシステムは727PS・1,000Nmを発生し、M xDriveと8速Mステップトロニックで駆動します。2024年末には日本で初めてM5ツーリングも正規導入され、セダンだけの高性能車から積載性まで選べるモデルへ拡張。電動化はM5の役割を弱めるのではなく、出力、日常走行、ボディ選択の幅を同時に広げる形で使われています。
M5を30秒で理解
- 日本初導入
- 1991年
- 通算
- 7世代
- M5の基本
- 自然吸気直6/V8/V10からV8ツインターボ、M xDrive、M HYBRIDへ発展。高性能と日常性を両立するMセダンの技術を各世代で更新
- ボディの変遷
- 日本ではE34からF90まで4ドアセダンが中心。G90/G99で日本初の正規M5ツーリングが加わり、セダン+ツーリングへ拡張
- 現行世代
- 7代目 G90/G99
M5らしさはどこにある?
速さだけでなく、5シリーズとして使えることがM5の条件
M5は専用ボディのスポーツカーではなく、5シリーズ級の後席、トランク、長距離快適性を持つ車体へMの高性能技術を組み込んできました。E34の時代から外観は比較的控えめで、E39も400PSのV8を積みながら5シリーズらしいセダンの姿を保っています。現行では727PSのM HYBRIDまで性能が高まっても、運転支援や快適装備、ツーリングの積載性まで含めて成立させており、「日常で使える高性能車」という考え方がM5の車種らしさを支えています。
歴代でエンジン形式を固定せず、その時代のM技術を載せてきた
E34の直列6気筒、E39のV8、E60のV10、F10以降のV8ツインターボ、G90/G99のV8+電気モーターと、M5は同じ形式を守ることより、その時代に必要な性能を選ぶ方向で進化してきました。特にV10からターボV8への変更では高回転の刺激から広い回転域の大トルクへ性格が変わり、現行ではモーターの瞬時の応答まで加わっています。歴代M5を比べると、エンジンと駆動方式の組み合わせが世代の体験を最も大きく分けます。
FRの歴史からM xDriveへ移っても、後輪駆動の感覚を残す
E34からF10まではFRが基本で、MT、SMG、M DCTと変速機を変えながら後輪へパワーを伝えてきました。F90でM xDriveを採用した際も、後輪側を重視する制御に加えて2WDモードを用意し、M5の走りを単純な常時4WDへ置き換えてはいません。現行G90/G99もM xDriveを継承しており、700PSを超えるシステム出力を扱うためのトラクションと、Mらしい旋回感覚を両立させることが現在のM5の考え方です。
セダン一辺倒だった日本仕様に、現行でツーリングが加わった
海外では過去にもM5ツーリングが存在しましたが、日本では正規輸入されていませんでした。2024年12月にG99 M5ツーリングが販売開始されたことで、M5として初めて日本でもワゴンボディを正式に選べるようになっています。セダンと同じ727PS・1,000NmのM HYBRIDを使いながら荷室を増やしたため、ツーリングは性能を抑えた実用版ではありません。高性能と積載性を同じ仕様で両立することが、現行世代で新しく加わったM5の役割です。
日本で販売されたM5の世代比較
世代番号はメーカーの通算世代表記に合わせ、日本で「M5」として販売された世代を掲載しています。
| 世代 | 販売期間 | 型式 | この世代を一言で |
|---|---|---|---|
| 2代目 | 1991年6月~1994年5月 | E34 | 2代目E34は日本で初めて正規導入されたM5。直列6気筒と5速MT、FRという機械的な構成から始まり、後期には3.8L・340PSへ発展しました。 |
| 3代目 | 1999年4月~2003年10月 | E39 | 3代目E39はM5初のV8を採用し、5.0L・400PS、6速MT、FRを組み合わせました。控えめな外観の中に大排気量エンジンを収めた世代です。 |
| 4代目 | 2004年11月~2010年4月 | E60 | 4代目E60はM5史上唯一の5.0L V10を搭載し、507PSと7速SMG Drivelogicを組み合わせた世代です。 |
| 5代目 | 2011年7月~2017年10月 | F10 | 5代目F10は自然吸気V10から4.4L V8ツインターボへ転換し、560PS・680Nm、7速M DCT、FRを組み合わせた世代です。 |
| 6代目 | 2017年10月~2024年10月 | F90 | 6代目F90は600PSのV8ツインターボと8速ATを搭載し、M5で初めてM xDriveを採用。Competition 625PS、CS 635PSへ発展しました。 |
| 7代目 | 2024年10月~現行 | G90/G99 | 7代目G90/G99はM5初のM HYBRIDを採用し、V8+モーターで727PS・1,000Nmを発生。日本初の正規M5ツーリングも加わった現行世代です。 |
日本で販売されたM5の世代別詳細
メーカー公式の通算世代番号を維持し、日本で販売された世代の型式・特徴・選び方を比較します。
- 型式
- E34
- 主なボディ
- 4ドア ハイパフォーマンスセダン
- この世代を一言で
- 2代目E34は日本で初めて正規導入されたM5。直列6気筒と5速MT、FRという機械的な構成から始まり、後期には3.8L・340PSへ発展しました。
POINTこの世代のポイント
- M5自体は1984年のE28から始まりましたが、日本で正規導入されたのは1991年のE34からです。国内では1991年6月からカタログに載り、BMW Japanも後のE60発表時に「初代M5が1991年に日本に導入」と説明しています。車種の世界的な世代番号は2代目でも、日本市場ではここがM5の実質的な入口です。
- E34前期の中核は3.6L直列6気筒で、BMW公式の歴史資料では315PSを発生します。日本仕様は5速MTとFRを組み合わせ、電子制御に頼りすぎずエンジンと後輪駆動の関係を直接操作する構成でした。5シリーズの上級セダンという外観と、専用Mエンジンの性能を同居させるM5の基本像がこの世代で日本にも定着しました。
- 1992年に世界で登場した改良型では3.8L・340PSへ強化され、日本のカタログでも1993年5月から3.8L仕様が確認できます。単なる外観変更ではなく、排気量と最高出力が変わるため、E34の前半と後半はエンジンの性格まで異なります。初代日本仕様を中古車で見る際に、年式の境目がそのまま技術差につながる理由です。
- 海外ではE34世代にM5 Touringも生産されましたが、日本での正規輸入は行われませんでした。現行G99が日本初の正規M5ツーリングとなるため、E34のツーリングを見かけた場合は並行輸入車として別の履歴を持ちます。ボディ形状まで含めて国内正規仕様を確認する意味が大きい世代です。
FITこんな人に向いている
日本のM5史の出発点と、自然吸気直6+MTを味わいたいなら。日本でM5を正規に選べるようになった最初の世代がE34です。初期は3.6L直列6気筒315PS、後期は3.8L・340PSへ強化され、5速MTとFRを組み合わせます。現代のM5のような多段ATや4WDではなく、エンジン回転とクラッチ操作を自分で組み立てる古典的な高性能セダンとして、歴代の中でも役割が明確です。
CHECK選ぶときに見るポイント
国内カタログでは1991年6月の315PS仕様と1993年5月以降の3.8L・340PS仕様が確認できます。同じE34でも排気量と出力が異なるため、年式だけでなく3.6L系か3.8L系かを先に分けると車両の内容を把握しやすくなります。また海外にはE34 M5 Touringも存在しますが、日本の正規カタログはセダンが中心で、並行輸入車は国内正規車と由来を分けて見る必要があります。
- 型式
- E39
- 主なボディ
- 4ドア ハイパフォーマンスセダン
- この世代を一言で
- 3代目E39はM5初のV8を採用し、5.0L・400PS、6速MT、FRを組み合わせました。控えめな外観の中に大排気量エンジンを収めた世代です。
POINTこの世代のポイント
- E39は1998年に世界で発表された第3世代M5で、日本の国内カタログでは1999年4月から販売履歴を確認できます。E34に続いて4ドアセダンだけの構成を保ちながら、外観の派手さを抑えたまま動力性能を大きく引き上げました。高性能を目立たせすぎないM5の「ビジネス・エクスプレス」的な性格が特に分かりやすい世代です。
- エンジンはM5で初めてV型8気筒となり、排気量5.0Lから400PS・500Nmを発生しました。6速MTを介して後輪を駆動し、BMW公式資料では0-100km/h加速5.3秒とされています。E34の直6から排気量と気筒数を増やしながら、変速機とFRは機械的な構成を守ったことがE39の特徴です。
- M5専用のエンジンとシャシーを持ちながら、通常の5シリーズから極端に離れないデザインを選んだため、日常の上級セダンとして使える性格を崩していません。後のE60がV10とSMGという強い個性へ進むことを考えると、E39は大排気量自然吸気とMTを使う伝統的なM5の完成形の一つとして位置づけられます。
- 日本仕様は左ハンドルの6速MTが中心で、後の世代のようなDCTやAT、M xDriveはありません。運転支援やトラクション制御の新しさより、自然吸気V8を自分で変速して走らせることが価値の中心です。中古車選びでは装備の多さより、機械コンディションが体験を左右しやすい世代です。
FITこんな人に向いている
自然吸気V8と6速MTを、比較的控えめなセダンで楽しみたいなら。E39はM5として初めてV8を採用し、5.0Lから400PS・500Nmを発生します。6速MTとFRのみという構成で、E34の直6より大きなトルクを持ちながら、外観は通常の5シリーズに近い落ち着きを残しました。V10のE60より構造が伝統的で、自然吸気V8とMTを中心にM5を選びたい人に分かりやすい世代です。
CHECK選ぶときに見るポイント
日本の国内カタログでは1999年4月から2003年10月まで確認でき、基本構成は5.0L V8・400PS・6速MT・FRです。大きなパワートレイン変更よりも年次改良や装備差を見る世代なので、車両状態、整備履歴、冷却系や駆動系の維持状況が個体比較で重要になります。M5らしい控えめな外観ゆえ、外装だけで通常の5シリーズと判断しないことも必要です。
- 型式
- E60
- 主なボディ
- 4ドア ハイパフォーマンスセダン
- この世代を一言で
- 4代目E60はM5史上唯一の5.0L V10を搭載し、507PSと7速SMG Drivelogicを組み合わせた世代です。
POINTこの世代のポイント
- 日本では2004年11月1日に予約注文を開始し、2005年5月頃からデリバリー予定と発表されました。BMW Japanはこのモデルを、1991年に日本へM5を導入して以来の第4代目と説明しています。国内の世代史をたどるうえで、E34から数えた位置づけが公式資料ではっきり示された世代です。
- 最大の特徴は量産M5として唯一の5.0L V10で、最高出力507PS、最大トルク520Nmを発生します。8,000rpmを超える高回転域まで使う設計で、BMWは当時F1技術との関連を強く打ち出しました。次のF10がV8ツインターボへ変わるため、V10の音と回転特性はE60だけの個性です。
- 変速機には7速SMG Drivelogicを採用し、ステアリングのパドルまたはシフトレバーで変速します。クラッチペダルを持たないものの、内部は機械式ギアボックスを油圧制御する方式で、後のM DCTや8速ATとは動作の性格が異なります。高回転V10とSMGを一体で体験することが、この世代を選ぶ意味になります。
- 海外ではM5 Touringも設定されましたが、日本では正規輸入されませんでした。国内仕様はセダンが中心で、現行G99 M5 Touringが正規導入されるまでM5ワゴンは日本の通常ラインアップには入りません。E60系ツーリングを国内で見る場合は、並行輸入という履歴まで含めて確認したいポイントです。
FITこんな人に向いている
M5で唯一のV10と高回転型エンジンを最優先するなら。E60の価値は、歴代でこの世代にしかない5.0L V10にあります。507PSを発生し、7速SMG Drivelogicで後輪へ伝達。F1技術との結び付きが強く語られた時代のM5で、低回転から扱いやすいターボ世代とは異なり、回転を上げて性能を引き出す設計です。エンジン形式そのものを理由に世代を選べる、歴代でも特に独立した存在です。
CHECK選ぶときに見るポイント
日本では2004年11月1日に予約注文を開始し、納車は2005年5月頃と案内されました。中古車の年式表示では2005年式が多くても、国内の販売履歴は2004年末から始まっています。7速SMGは一般的なトルクコンバーターATではなく、作動特性やクラッチ系の状態が運転感覚と維持に直結するため、V10エンジンだけでなく変速機の整備履歴も合わせて見る必要があります。
- 型式
- F10
- 主なボディ
- 4ドア ハイパフォーマンスセダン
- この世代を一言で
- 5代目F10は自然吸気V10から4.4L V8ツインターボへ転換し、560PS・680Nm、7速M DCT、FRを組み合わせた世代です。
POINTこの世代のポイント
- F10は2011年7月25日に日本で注文受付を開始し、2012年1月以降の納車が予定されました。BMW自身が第5世代M5として発表したモデルで、E60のV10からエンジン思想を大きく切り替えています。高回転の刺激だけでなく、日常域から強いトルクを使えることが新しいM5の性能軸になりました。
- 4.4L V8 Mツインパワー・ターボは560PS・680Nmを発生し、先代V10より最高出力とトルクを高めながら燃費とCO2排出量の改善も狙いました。最大トルクを1,500rpmから発生する特性は、回転を上げて性能を引き出すE60とは対照的です。M5の高性能化が効率と日常の扱いやすさまで含む方向へ移った転換点です。
- 変速機は7速M DCT Drivelogic、駆動方式はFRを維持しました。ターボ化で大幅に増えたトルクを電子制御式アクティブMディファレンシャルと組み合わせ、後輪駆動の基本を保ったまま制御技術を増やしています。F90で4WDへ移る直前の世代として、FRのM5と最新ターボ技術が重なった構成です。
- 2013年にはCompetition Packageで575PSへ強化され、2014年の30 Jahre M5は600PSに達しました。標準車の日常性を基準に、足回りやエンジン設定をサーキット側へ深める派生を用意する方法は、後のCompetitionやCSへつながります。F10はターボ化だけでなく、世代内で性能段階を作る考え方が定着した時期でもあります。
FITこんな人に向いている
FRのM5を保ちながら、ターボV8の大トルクとM DCTを使いたいなら。F10はE60のV10から4.4L V8ツインターボへ大きく方向を変え、560PSと680Nmを広い回転域で使えるようになりました。駆動方式はFRを維持し、変速機は7速M DCTです。自然吸気世代より低回転から力を引き出しやすく、次のF90のM xDriveまでは必要としない人にとって、FRターボM5という独自の位置があります。
CHECK選ぶときに見るポイント
2011年7月25日に日本で注文受付を始め、納車は2012年1月以降と案内されました。このため『2012年型』として認識されやすい一方、国内販売履歴は2011年から始まります。標準560PSに加え、後期には575PSのCompetition Packageや600PSの30 Jahre M5も存在するため、同じF10でも出力とシャシー設定を正式仕様名で切り分けて見ると違いが明確です。
- 型式
- F90
- 主なボディ
- 4ドア ハイパフォーマンスセダン
- この世代を一言で
- 6代目F90は600PSのV8ツインターボと8速ATを搭載し、M5で初めてM xDriveを採用。Competition 625PS、CS 635PSへ発展しました。
POINTこの世代のポイント
- F90は2017年10月24日に日本で受注を開始し、2018年4月以降の納車が案内されました。4.4L V8ツインターボは600PS・750Nmを発生し、7速DCTから8速Mステップトロニックへ変更。単にF10の出力を上げただけでなく、駆動系全体を新しい考え方へ切り替えた第6世代です。
- 最大の転換はM5初のM xDriveです。基本は4WDで安定性とトラクションを高めつつ、4WD Sportや2WDモードを選べるため、後輪駆動的な挙動も残しました。600PSを超える出力を安全に使いやすくすることと、M5らしいドライバー主体の操作性を両立するために4WDを採用したことが、F90の技術的な意味です。
- 2019年に日本導入されたM5 Competitionは625PSへ強化され、車高を7mm下げ、スプリングやエンジンマウントも専用設定になりました。通常車との差を馬力だけに置かず、サーキット走行時の応答性まで変える仕様です。F10で始まった高性能派生の考え方を、より明確な別モデルとして展開しました。
- 2021年のM5 CSはCompetitionを基礎に635PSまで高め、軽量化を施した4シーターとして日本5台限定で販売されました。F90の最終到達点として、通常M5の日常性、Competitionのサーキット性能、CSの軽量高性能という段階が完成。中古車ではこの三層を分けて考えることで、価格差の理由が分かりやすくなります。
FITこんな人に向いている
V8ターボの性能とM xDriveのトラクションを、非ハイブリッドで選びたいなら。F90は600PSのV8ターボを8速ATとM xDriveで路面へ伝える初のM5です。4WDを基本にしながら2WDモードも備え、FR時代の性格を完全に捨ててはいません。Competitionは625PS、CSは635PSまで高められており、現行G90のPHEVより軽い非ハイブリッド世代として、駆動方式と高出力のバランスに独自の魅力があります。
CHECK選ぶときに見るポイント
日本では2017年10月24日に受注開始、2018年4月以降納車と発表されました。2019年には625PSのM5 Competition、2021年には日本5台限定の635PS M5 CSが加わっています。通常M5、Competition、CSでは出力だけでなく車高、サスペンション、軽量化まで違うため、外装の似た個体を同じF90として一括りにせず、正式仕様と装備を確認して比較する世代です。

- 型式
- G90/G99
- 主なボディ
- 4ドア ハイパフォーマンスセダン/5ドア ハイパフォーマンスツーリング
- この世代を一言で
- 7代目G90/G99はM5初のM HYBRIDを採用し、V8+モーターで727PS・1,000Nmを発生。日本初の正規M5ツーリングも加わった現行世代です。
POINTこの世代のポイント
- 第7世代M5セダンは2024年10月2日に日本で販売を開始し、同年11月中旬以降の納車予定と発表されました。最大の転換はM5初のプラグイン・ハイブリッド化です。V8をやめて電動化したのではなく、4.4L V8を残したままモーターを加えることで、M5の高性能エンジンという軸と新しい電動技術を一つにまとめています。
- M HYBRIDは4.4L V8が585PS、電気モーターが197PSを発生し、システム合計727PS・1,000Nmとなります。駆動方式はM xDrive、変速機は8速Mステップトロニックを継続。先代F90より大きなシステム出力を持つ一方、電気だけで走れる機能も備え、高性能走行と日常のゼロ・エミッション走行を同じ車で使い分ける構成です。
- 2024年12月25日にはG99 M5ツーリングを日本で販売開始し、BMW JapanはM5ツーリングとして日本初の正規輸入販売と明記しました。パワートレインはセダンと同じ727PS・1,000Nmで、実用性を優先して性能を抑えたモデルではありません。歴代M5が日本ではセダン中心だった流れを変え、荷物を積む用途まで正式なM5の選択肢になりました。
- 現行のBMW公式ページではセダン、ツーリングとも20,770,000円で案内され、両方が通常ラインアップとして掲載されています。発売時の19,980,000円から価格は変化していますが、基本のM HYBRIDと727PS・1,000Nmは共通です。現行M5を選ぶ際は、性能差よりもセダンのトランクとツーリングの荷室・多用途性の違いがボディ選択の中心になります。
FITこんな人に向いている
727PSのM HYBRIDと、セダン/ツーリングの実用性を現行装備で選ぶなら。現行はセダンとツーリングの両方を日本で正規に選べ、パワートレインは共通のM HYBRIDです。4.4L V8と電気モーターで727PS・1,000Nmを発生し、M xDriveと8速ATを組み合わせます。歴代の純ガソリンM5とは車重やパワーの出し方が異なり、電気走行、最新運転支援、荷室まで含めて一台で多用途に使うことが現行世代の強みです。
CHECK選ぶときに見るポイント
セダンは2024年10月2日に販売開始、ツーリングは同年12月25日に追加されました。どちらも727PS・1,000Nmですが、0-100km/h加速は欧州仕様値でセダン3.5秒、ツーリング3.6秒と案内されています。2026年9月時点のBMW公式ページでは両モデルともメーカー希望小売価格20,770,000円。初期発表時の19,980,000円とは価格表示が変わっているため、新車情報は現在の公式ページを基準に見る必要があります。
M5はどう進化してきたか
直6・V8・V10――自然吸気時代は「どの回し方が好きか」で選ぶM5
E34、E39、E60はすべて自然吸気ですが、運転したときの性格は同じではありません。E34の直列6気筒は比較的軽い車体とMTを生かして回転をつないで走る感覚が中心で、E39の5.0L V8は低中速から厚いトルクを使える余裕を加えました。E60の5.0L V10はさらに高回転型へ振れ、8,000rpmを超える領域まで使って性能を引き出します。自然吸気M5を探す場合は年式の新しさよりも、軽快な直6、太いV8、高回転V10のどれを運転の中心に置きたいかで候補を分けると、世代差がそのまま選び方につながります。
F10のターボ化で、街中から大トルクを使えるM5へ
F10で4.4L V8ツインターボへ切り替わると、M5は高回転まで引っ張って速さを作る車から、低い回転数でも大きなトルクを使える車へ性格を変えました。560PSという最高出力だけでなく、680Nmを1,500rpmから発生するため、高速道路の追い越しや日常の加速でも余裕を感じやすいのが自然吸気世代との大きな違いです。一方で駆動方式はFR、変速機は7速M DCTのため、後輪駆動のM5らしさは残っています。高回転型エンジンよりも日常域の力強さを重視しつつ、4WDまでは必要としない人にとって、F10は歴代の中で位置づけが分かりやすい世代です。
F90のM xDriveは、600PS超を安心して使うための進化
F90では600PSを超えるV8ターボにM xDriveと8速ATを組み合わせ、出力の大きさをそのまま運転の難しさにしない方向へ進みました。雨天や低μ路でも前輪へ駆動力を配分できるため、発進や高速加速ではF10よりトラクションを得やすくなります。それでも4WD Sportや2WDモードを備え、後輪主体で走る感覚を残している点が一般的な四輪駆動との違いです。純ガソリンV8のまま、日常の扱いやすさと非常に高い性能を両立したいならF90が候補になり、CompetitionやCSまで視野に入れる場合はサーキット寄りの足回りや軽量化まで含めて選ぶことになります。
G90/G99は、速さだけでなく電動走行と積載性まで選択肢に加えた
現行G90/G99は、V8にモーターを加えたM HYBRIDによって727PS・1,000Nmへ到達しましたが、変化の意味は最高出力だけではありません。短距離では電気だけで走れる場面を持ち、一方でアクセルを深く踏めばV8とモーターを合わせた強い加速を使えるため、日常移動と高性能走行を一台で切り替える考え方になっています。さらに日本では初の正規M5ツーリングが加わり、後席や荷室を重視する人もM5を選べるようになりました。純ガソリンの軽さや従来型のフィーリングを優先するならF90以前、電動化と最新装備、積載性まで含めて一台でまとめたいならG90/G99という比較がしやすくなります。
M5はどの世代を選ぶ?
E34/E39はMTと自然吸気エンジンの機械的な感覚で選ぶ
E34は直6、E39はV8ですが、どちらもFRとMTを中心にしたシンプルな駆動系です。E34は日本のM5史の始まりと軽快な直6、E39は400PSの5.0L V8と6速MTが魅力。電子制御や絶対的な速さより、エンジンとクラッチを直接扱う感覚を優先する場合に、この2世代が一つの比較グループになります。
E60はV10とSMGという一代限りの組み合わせを理由に選べる
5.0L V10・507PS・7速SMGという構成は歴代M5でE60だけです。F10以降はターボV8となるため、高回転自然吸気の音やレスポンスを求める場合、他世代で代替しにくい選択になります。その反面、SMGの作動やV10の維持管理も車両選びの一部になるため、購入価格だけでなく整備履歴を重く見る必要があります。
F10とF90は同じV8ターボでも、FRかM xDriveかで性格が分かれる
F10は560PS・7速M DCT・FR、F90は600PS以上・8速AT・M xDriveです。ターボV8という共通点はあっても、駆動力の使い方と変速機が違います。後輪駆動のM5をターボ世代で選びたいならF10、悪天候や加速時のトラクションまで含めて高出力を使いたいならF90という分け方ができます。
G90/G99はPHEVを受け入れるかと、セダン/ツーリングの用途で決める
現行はM HYBRIDが標準なので、純ガソリンだけのM5を求める場合はF90以前が候補になります。反対に727PSのシステム出力、電気走行、最新の運転支援を使いたいならG90/G99が中心です。セダンとツーリングの性能値は近いため、現行では荷室やボディ形状を生活に合わせて選べることが歴代にはない大きな利点です。
同じ世代でも年式、グレード、駆動方式、改良時期によって仕様は異なります。購入時は実車の状態や装備、整備履歴も含めて確認してください。
M5を選ぶときに確認したいポイント
この車種ページが2代目E34から始まるのは、日本導入の歴史による
M5の世界的な初代は1984年のE28ですが、日本で正規導入されたのは1991年のE34からです。そのためELCでは世界基準の世代番号を保ちつつ、日本で販売履歴のある2代目以降を掲載します。『日本で最初に載っているのに2代目』なのは世代番号の誤りではなく、グローバル系譜と国内導入時期の違いです。
E60とF10は注文開始年と実際の納車時期がずれる
E60は2004年11月に予約注文を開始し、納車は2005年5月頃。F10も2011年7月に注文受付を始め、納車は2012年1月以降と案内されました。中古車では登録年だけを見ると翌年から始まったように見える場合がありますが、BMW Japanの公式発表と国内カタログでは前の年から販売手続きが始まっています。
F90は通常M5、Competition、CSでシャシーまで違う
F90の通常M5は600PS、Competitionは625PS、CSは635PSですが、違いは数字だけではありません。Competitionは車高、スプリング、エンジンマウントまで専用化され、CSはさらに軽量化を進めています。外観が似ている中古車でも正式な仕様名を基準にすると、価格差がエンジンだけでなく車体設定にも由来することが分かります。
M5ツーリングは現行G99が日本初の正規輸入
海外では過去のM5にもツーリングが存在しましたが、BMW Japanは2024年のG99を日本市場初の正規M5ツーリングと説明しています。旧世代のM5 Touringが国内中古市場にある場合は並行輸入車です。保証や仕様、部品適合の確認方法が国内正規車と異なる可能性があるため、ボディ形状だけで同じ扱いにしない方が安全です。
7代目 M5 G90/G99
情報確認:2026年9月

M5ツーリングを日本で初めて正規導入
G99 M5 Touringを日本で販売開始。セダンと同じM HYBRIDを採用し、システム最高出力727PS、最大トルク1,000Nmを発生します。納車は2025年第1四半期以降と案内されました。
第7世代M5をM HYBRIDで日本発売
G90 M5セダンを全面改良し、日本で販売開始。4.4L V8+電気モーターのM HYBRIDをM5で初採用し、727PS・1,000Nmを実現しました。納車は2024年11月中旬以降と発表されています。
最新の販売状況、受注状況、グレード構成、価格については、メーカー公式サイトまたは正規販売店で確認してください。
