【音声配信】マツダ MAZDA2歴代モデルの概要
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目次
マツダ MAZDA2の概要
マツダ MAZDA2は、その前身である「デミオ」として1996年にデビューして以来、マツダの屋台骨を支え、常に日本のコンパクトカー市場に新しい価値観を提示し続けてきた基幹モデルです。初代デミオが実用性を追求した「フリースタイルワゴン」としてマツダの救世主となり、世代を重ねるごとに「走る楽しさ」を追求するスタイリッシュなコンパクトカーへと劇的な変貌を遂げてきました。
歴代モデルを貫くのは、コンパクトなボディの中に、最大限のユーティリティとドライビングプレジャーを凝縮しようとする、マツダの情熱的なクルマづくりです。そして、デミオからMAZDA2へと車名を変更した現行世代では、デザインテーマ「魂動」と先進技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面採用。クラスの常識を覆す上質な内外装、人馬一体の走り、そしてクリーンディーゼルという独自の選択肢も提供し、単なる実用車ではない、持つ喜びをも満たすプレミアムコンパクトとして、その存在感を確固たるものにしています。
マツダ MAZDA2の歴代モデル概要
マツダ MAZDA2は、そのルーツを辿ると1996年に登場した「デミオ」に行き着きます。当時のマツダの経営危機を救ったとされる初代デミオの実用性重視のコンセプトから、世代を重ねるごとに「走る楽しさ」と「デザイン性」を追求し、そして現行MAZDA2ではクラスを超えた「上質感」をも手に入れました。ここでは、その劇的な進化を遂げてきた、デミオからMAZDA2に至る歴代モデルの歩みをご紹介しましょう。
初代 デミオ (DW系)
- 販売期間:1996年8月 – 2002年8月
- 型式:DW3W (1.3L), DW5W (1.5L)
- 特徴:
- 当時のマツダの厳しい経営状況の中、救世主として登場した初代デミオ。「フリースタイルワゴン」というコンセプトを掲げ、コンパクトなボディに、ステーションワゴンのような広大な荷室と多彩なシートアレンジを両立。その徹底した実用性と求めやすい価格設定が市場で絶大な支持を得て、大ヒットを記録しました。
- エクステリアは、シンプルで親しみやすいボクシースタイル。インテリアは、フルフラットになるシートや十分な室内高など、見た目以上の広さと使い勝手の良さを追求していました。
- パワートレインは、1.3L「B3-ME」型および1.5L「B5-ME」型エンジンを搭載。決してパワフルではありませんでしたが、日常の足としては十分な性能と経済性を備えていました。
- この初代デミオの成功は、その後のコンパクトカー市場に大きな影響を与え、マツダの復活を象徴する、まさに歴史的な一台と言えるでしょう。
2代目 デミオ (DY系)
- 販売期間:2002年8月 – 2007年7月
- 型式:DY3W/DY3R (1.3L), DY5W/DY5R (1.5L)
- 特徴:
- 「コミュニケーション・コンパクト」をコンセプトに、初代の実用性を継承しつつ、内外装の質感と走行性能を大幅に向上させた2代目。プラットフォームを一新し、より洗練されたスタイリングと、きびきびとした走り味を実現しました。
- エクステリアは、初代のイメージから一新され、よりダイナミックで欧州コンパクトカーのような凝縮感のあるデザインへと進化。インテリアも、質感の高い素材の採用やデザイン性の向上により、上質な空間を演出。
- パワートレインには、新開発のMZRエンジンシリーズである1.3L「ZJ-VE」型と1.5L「ZY-VE」型を搭載。走行性能と燃費性能の向上が図られました。
- この世代から、スポーティな内外装を持つ「SPORT」グレードが設定され、走りを重視する層にもアピール。また、後輪をモーターでアシストするユニークな電動4WD「e-4WD」も設定されました。
3代目 デミオ (DE系)
- 販売期間:2007年7月 – 2014年9月
- 型式:DE3FS/DE3AS (1.3L), DE5FS (1.5L), DEJFS (1.3L SKYACTIV)
- 特徴:
- 「パーソナル・スマート・コミューター」をテーマに、再び大きな変革を遂げた3代目。プラットフォームを刷新し、先代比で約100kgという大幅な軽量化を達成。これにより、優れた燃費性能と、軽快で「走る楽しさ」あふれるハンドリング性能を実現しました。
- エクステリアは、獲物を狙うチーターをイメージした、躍動感あふれるスタイリングが最大の特徴。従来のデミオが持っていた実用車イメージを払拭し、デザインコンシャスな層からも高い評価を得ました。
- この世代のハイライトは、2011年6月に追加された「13-SKYACTIV」(DEJFS型)です。新開発の直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」とアイドリングストップ機構「i-stop」、そしてCVTを組み合わせ、ハイブリッド車に迫る10・15モード燃費30.0km/Lを達成。マツダの「SKYACTIV技術」の先駆けとなりました。
- スポーティグレード「SPORT」や、専用チューニングが施された「15C」なども設定され、コンパクトカーながら運転する楽しさを追求するマツダの姿勢を鮮明にしました。
4代目 デミオ/MAZDA2 (DJ/DL系)
- 販売期間:2014年9月 – 現在 (2025年6月時点)
- 型式:DJ3FS/DJ3AS (1.3Lガソリン), DJ5FS/DJ5AS (1.5Lディーゼル), DJLFS/DJLAS (1.5Lガソリン) など
- 特徴:
- 「コンパクトカーの常識を打ち破る」という強い意志のもと、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」と、新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面的に採用して登場。内外装の質感、走行性能、安全性能の全てにおいて、クラスの基準を大きく超えることを目指しました。
- エクステリアは、生命感あふれるダイナミックな魂動デザインをコンパクトなボディに凝縮。インテリアは、人間中心の思想に基づいた理想的なドライビングポジションと、上質な素材、そして精緻な作り込みにより、欧州のプレミアムコンパクトカーにも匹敵するほどの質感を誇ります。
- パワートレインの大きな革新は、小排気量クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」を国内のコンパクトカーとして初めて搭載したことです。力強いトルクと優れた燃費性能を両立させ、大きな話題を呼びました。ガソリンエンジンも、当初の1.3L「SKYACTIV-G 1.3」から、後に1.5L「SKYACTIV-G 1.5」へと進化しています。
- 走行性能面では、車両の挙動を滑らかにする「G-ベクタリング コントロール(GVC)」を搭載(一部改良後)し、「人馬一体」の走りをさらに深化。安全性能でも、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」が大幅に進化しました。
- 主な改良・出来事:
- 2019年9月:大幅商品改良と車名の変更。日本国内での車名を、グローバルで統一されている「MAZDA2」へと変更。内外装のデザインも、より上質で洗練されたものへとリフレッシュされました。
- 2023年1月:大幅商品改良。フロントグリルやバンパーのデザインを一新し、ボディ同色のグリルパネルなど、より多彩で個性的なデザイン表現を選択可能に。内外装のカラーコーディネーションも大幅に刷新され、オーナーの個性を表現する楽しさが提供されました。この改良により、登場から長い年月が経過しながらも、その商品力は依然として高いレベルに維持されています。