【音声配信】三菱 アウトランダー歴代モデルの概要
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目次
三菱 アウトランダーの概要
三菱 アウトランダーは、2005年に日本国内でその名が冠されて以来(初代は海外名、国内ではエアトレックとして登場後)、三菱自動車のSUV開発における豊富な知見と先進技術を体現し続けるミドルサイズクロスオーバーSUVです。特に、2013年に世界に先駆けて市場投入されたプラグインハイブリッドEV(PHEV)モデルは、電動化時代のSUVのあり方を提示し、環境性能と走行性能、そして給電機能という新たな価値を提供。アウトランダーの名を世界に轟かせ、電動SUVのパイオニアとしての地位を確立しました。
歴代アウトランダーに共通するのは、オンロードでの快適な走行性能と、三菱ならではのAWD技術(特にS-AWC)に裏打ちされた悪路走破性の高次元なバランス、そして実用的な室内空間です。最新世代では、よりダイナミックで上質な内外装デザイン、大幅に進化したPHEVシステム、そして先進の運転支援技術を採用。三菱自動車の技術的フラッグシップとして、また環境意識の高い現代のドライバーに応える選択肢として、その存在感を一層強めています。
三菱 アウトランダーの歴代モデル概要
三菱 アウトランダーは、その前身である「エアトレック」(2001年登場)のコンセプトを引き継ぎ、よりグローバルな視点で開発されたクロスオーバーSUVです。特にプラグインハイブリッドEV(PHEV)モデルの登場は、世界のSUV市場に大きな衝撃を与え、三菱自動車の電動化技術を象徴する存在となりました。ここでは、日本国内で「アウトランダー」として販売された歴代モデルの輝かしい軌跡をご紹介します。
初代 アウトランダー (CW#W型 – グローバル2代目)
- 販売期間:2005年10月 – 2012年10月
- 型式:CW5W (2.4L), CW6W (3.0L V6) など
- 特徴:
- 「新世代プレミアムSUV」をコンセプトに、エアトレックから車名も一新し、世界市場をターゲットとした新開発のグローバルプラットフォームを採用。エクステリアは、三菱のジェット戦闘機をモチーフとした「ジェットファイターグリル」が特徴的な、よりダイナミックで力強いデザインへと進化しました。
- インテリアは、スポーティさと上質感を融合させたデザイン。7人乗り3列シート仕様(5+2シーター)も設定され、ファミリーユースにも対応するユーティリティを備えていました。特徴的な上下2分割式の「フラップフォールドテールゲート」は、荷物の積み下ろしや長尺物の積載に便利でした。
- パワートレインは、当初2.4L 直列4気筒MIVECエンジン「4B12」型を搭載し、INVECS-III 6速スポーツモードCVTと組み合わせられました。2007年には、よりパワフルな3.0L V6 MIVECエンジン「6B31」型を搭載したグレードも追加され、走行性能を重視する層にもアピール。
- 電子制御4WDシステムを採用し、オンロードでの安定した走行性能と、ある程度の悪路走破性を両立。ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステム(オプション)など、エンターテインメント性も追求されました。
2代目 アウトランダー (GF#W/GG#W型 – グローバル3代目)
- 販売期間:
- ガソリンモデル (GF#W):2012年10月 – 2021年12月(PHEVモデルへ一本化のため販売終了)
- PHEVモデル (GG#W):2013年1月 – 2021年12月
- 型式:GF7W/GF8W (2.0L/2.4L ガソリン), GG2W/GG3W (PHEV) など
- 特徴:
- 「Solid – Safe – Simple(ソリッド・セーフ・シンプル)」を開発コンセプトに、内外装デザインの質感向上、燃費性能の改善、そして先進安全技術の搭載を目指した2代目。エクステリアは、当初やや穏やかなデザインでしたが、2015年の大幅なマイナーチェンジで、三菱の新しいフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を初採用し、力強く精悍な表情へと大きく変貌を遂げました。
- この世代の最大の功績は、何と言っても2013年1月に市場投入された「アウトランダーPHEV(GG2W型)」です。2.0Lガソリンエンジンと前後に独立した高出力モーター、そして大容量駆動用バッテリーを組み合わせた世界初の量産4WDプラグインハイブリッドSUVとして登場。EV走行、シリーズ走行、パラレル走行を状況に応じて自動で切り替え、圧倒的な環境性能とEVならではの滑らかで力強い走り、そして外部給電機能(V2H/V2L)という新たな価値を提供し、世界中で高い評価を得ました。2018年にはPHEVシステムを大幅改良し、エンジン排気量を2.4L(4B12型)へ拡大、バッテリー容量も増大させました(GG3W型)。
- ガソリンモデルは、2.0L「4J11」型および2.4L「4J12」型MIVECエンジンを搭載し、CVTと組み合わせることで燃費性能を向上。7人乗り3列シート仕様も設定されました。
- 安全性能では、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)やレーダークルーズコントロールシステム(ACC)、車線逸脱警報システム(LDW)などをパッケージ化した予防安全技術「e-Assist」を搭載(グレード別設定)。
3代目 アウトランダー (GN0W型 PHEV – グローバル4代目)
- 販売期間:2021年12月 – 現在 (2025年6月時点)
- 型式:GN0W (PHEV E-Four/S-AWC)
- 特徴:
- 「威風堂々」をコンセプトに、デザイン、走り、そして先進技術の全てを大幅に進化させ、三菱自動車のフラッグシップSUVとしての存在感を鮮明にした3代目。日本国内市場では、当初よりPHEVモデル専売として導入され、電動化への強い意志を示しました。ルノー・日産・三菱アライアンスによる新開発プラットフォームを採用。
- エクステリアは、「ダイナミックシールド」をさらに進化させ、力強く存在感のあるフロントマスクと、水平基調で伸びやかなプロポーション、そして彫刻的なキャラクターラインが特徴。ボディサイズも拡大し、堂々たる体躯となりました。
- インテリアは、上質な素材と先進的なデザインを高次元で融合。水平基調のインストルメントパネルや大型センターディスプレイ、高品質なシートなどにより、プレミアムSUVにふさわしい洗練された快適空間を実現。PHEVモデルとしては珍しい3列シート7人乗り仕様も設定され、ファミリーユースへの対応力も向上しました。
- パワートレインは、新世代のツインモーター4WD PHEVシステムを搭載。2.4L MIVECエンジン(4B12型)と、より高出力化された前後モーター、そして総電力量20kWhへと大幅に増大された駆動用バッテリーを組み合わせ、EV走行換算距離(WLTCモード)を大幅に伸長させるとともに、システム全体のパフォーマンスを向上。三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)」も進化し、路面状況や走行シーンに応じた7つのドライブモードを選択可能とし、あらゆる状況で意のままの操縦性と卓越した安定性を実現しています。
- 安全性能では、高速道路 同一車線運転支援機能「MI-PILOT(マイパイロット)」や、衝突被害軽減ブレーキ、踏み間違い衝突防止アシストなど、先進の運転支援技術を多数搭載。コネクティッド機能も充実しています。この3代目は、三菱自動車が誇るPHEV技術とAWD技術の集大成であり、新時代の電動SUVのあり方を力強く提示するモデルです。