【音声配信】レクサス RX歴代モデルの概要
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レクサス RXの概要
レクサス RXは、1998年に北米市場でその歴史の幕を開け(日本では初代・2代目がトヨタ ハリアーとして高い評価を得た後、レクサスブランド国内展開と共にRXとして登場)、高級クロスオーバーSUVという新たなカテゴリーを世界に提示した、まさにパイオニアであり絶対的なリーダーです。乗用車ベースのプラットフォームがもたらす洗練された乗り心地と静粛性、そしてSUVならではのユーティリティと安心感を高次元で融合させ、「ラグジュアリーSUV」という新たな価値観を市場に確立しました。
歴代RXを貫くのは、レクサスならではの徹底した「おもてなしの心」と、時代をリードする先進技術へのあくなき探求心です。上質な素材と匠の技が息づくインテリア、静かで快適な移動空間の提供はもちろんのこと、特に2005年に登場した世界初の高級ハイブリッドSUV「RX400h」は、その後のレクサスの電動化戦略を鮮明に方向づける画期的なモデルとなりました。RXは、常に所有する誇りと深い安心感を提供し続ける、レクサスブランドの中核を成すグローバルモデルなのです。
レクサス RXの歴代モデル概要
レクサス RXは、1998年の北米市場での初代デビュー(日本では当時「トヨタ ハリアー」として先行登場)以来、高級クロスオーバーSUVという新たな市場を創造し、常にその最前線を走り続けてきた、レクサスブランドを代表する中核モデルです。乗用車ベースの洗練された乗り心地とSUVのユーティリティ、そしてレクサスならではの上質な内外装と先進技術を高次元で融合させ、世界中で絶大な人気と高い評価を獲得してきました。ここでは、その革新と洗練の歴史を辿る、歴代RXをご紹介しましょう。
初代 RX (XU10系 – 日本国内ではトヨタ ハリアー初代)
- 販売期間:(北米市場) 1998年 – 2003年 / (日本市場) トヨタ ハリアーとして1997年12月 – 2003年2月
- 型式(RX300):MCU10 (FF), MCU15 (AWD) など (日本ハリアー型式:SXU10W/15W, MCU10W/15W)
- 特徴:
- 高級セダンの快適性とSUVの機能性を併せ持つ「ラグジュアリークロスオーバー」という新たなジャンルを市場に提示。従来の武骨なオフロード車とは一線を画す、洗練された都会的なスタイリングと乗用車感覚の運転のしやすさが特徴でした。
- 日本国内では「トヨタ ハリアー」として販売され大ヒット。レクサスブランドの海外展開における成功の礎を築いたモデルと言えます。
- パワートレインは、北米仕様のRX300には3.0L V6「1MZ-FE」型エンジンが搭載され、滑らかで力強い走行性能を発揮。FFとフルタイムAWDが設定されました。
- 上質なインテリア、優れた静粛性、そして多彩なユーティリティは、その後の高級SUVのベンチマークとなりました。
2代目 RX (XU30系 – 日本国内ではRXとして初導入)
- 販売期間:(北米市場) 2003年 – 2008年 / (日本市場) 2005年8月 – 2009年1月
- 型式:MCU3#/GSU3# (RX330/RX350), MHU3# (RX400h) など (日本型式例:MCU35W, GSU35W, MHU38W)
- 特徴:
- 初代の成功を受け、デザイン、走行性能、豪華さの全てを大幅に進化させた2代目。エクステリアは、よりダイナミックで流麗なスタイリングへと磨き上げられました。日本市場では、2005年のレクサスブランド国内開業に伴い、この世代から正式に「レクサス RX」として導入されました(トヨタ ハリアーも並行して独自の進化を遂げます)。
- この世代最大のトピックは、2005年に世界初の高級クロスオーバーハイブリッドSUVとして「RX400h」(MHU38W型)が登場したことです。3.3L V6エンジンと高出力モーターを組み合わせた「THS(Toyota Hybrid System)」に、後輪をモーターで駆動する電気式4WDシステム「E-Four」を搭載。圧倒的な動力性能と優れた燃費性能を両立させ、電動化時代のラグジュアリーカーのあり方を示しました。
- ガソリンモデルは、当初3.3L V6「3MZ-FE」型エンジン(RX330)、後に3.5L V6「2GR-FE」型エンジン(RX350)へと進化し、5速ATが組み合わされました。
- エアサスペンション(一部グレード)、アダプティブフロントライティングシステム(AFS)、パノラマガラスルーフ(一部海外仕様)など、先進・快適装備も充実。高級クロスオーバーとしての地位を不動のものとしました。
3代目 RX (AL10系)
- 販売期間:2009年1月 – 2015年10月
- 型式:GGL1#W (RX350), GYL1#W (RX450h), AGL10W (RX270) など
- 特徴:
- 「プログレッシブ・ラグジュアリー」をテーマに、レクサスのデザインフィロソフィー「L-finesse(エル・フィネス)」に基づき、よりダイナミックで洗練されたエクステリアデザインへと進化。後のマイナーチェンジで、レクサスの象徴となる「スピンドルグリル」が初めて採用されました。
- インテリアは、ドライバー中心の非対称デザインのコクピットや、第2世代リモートタッチの採用など、先進性と使いやすさを追求。素材の質感も一層高められました。
- パワートレインは、RX350に3.5L V6「2GR-FE」型エンジン(後期型はアトキンソンサイクルも可能な「2GR-FXE」型ベースの「2GR-FKS」型に近いものも存在)、RX450hには3.5L V6アトキンソンサイクルエンジン「2GR-FXE」型を核とする進化した「レクサス・ハイブリッド・ドライブ」を搭載し、出力と燃費性能を向上。この世代から、日本市場など一部地域向けに2.7L直列4気筒「1AR-FE」型エンジンを搭載したエントリーモデル「RX270」(FF)もラインナップされました。
- ヘッドアップディスプレイ、プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)など、先進の安全・快適装備も充実。スポーティな内外装と専用チューニングを施した「F SPORT」もこの世代から本格的に設定され、人気を博しました。
4代目 RX (AL20系)
- 販売期間:2015年10月 – 2022年10月
- 型式:AGL2#W (RX200t/RX300 2.0Lターボ), GYL2#W (RX450h 3.5Lハイブリッド), GGL2#W (RX350 3.5L V6 一部海外市場) など
- 特徴:
- 「Seductive Strength(魅惑的な力強さ)」をデザインコンセプトに、シャープでアグレッシブなエクステリアへと大胆に変貌。大型のスピンドルグリルと、L字型のLEDヘッドランプ/テールランプが強烈な個性を放ちました。ルーフが浮いているように見える「フローティングルーフ」デザインも特徴的です。
- インテリアは、水平基調の伸びやかなインストルメントパネルと、大型ナビゲーションディスプレイ(最大12.3インチ)、そして上質な素材と精緻な作り込みにより、モダンで豪華な空間を演出。
- パワートレインは、2.0L直列4気筒直噴ターボエンジン「8AR-FTS」を搭載した「RX200t」(後に「RX300」へ改称)が主力の一つとなり、軽快な走りと優れた燃費性能を提供。3.5L V6アトキンソンサイクルエンジン「2GR-FXS」を核とするハイブリッドモデル「RX450h」も継続設定され、システム全体の効率が向上しました。海外市場向けには3.5L V6ガソリン「RX350」も存在。
- 安全性能では、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」を標準装備。プリクラッシュセーフティ、レーンキーピングアシスト(LKA)、アダプティブハイビームシステム(AHS)、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)など、高度な運転支援機能を提供しました。
- この世代から、3列シート7人乗り仕様のロングバージョン「RX450hL」および「RX350L」(一部市場)が追加され、多人数乗車のニーズにも応えました。
5代目 RX (ALA10/ALH10/ALH15/ALH16/TALA10/TALH17/TALA15/TALH16系)
- 販売期間:2022年11月 – 現在 (2025年6月時点)
- 型式:AALH10/AALH15/AALH16 (RX350h/RX450h+), TALA10/TALA15 (RX350), TALH17 (RX500h F SPORT Performance) など
- 特徴:
- 「対話できるクルマ、走って楽しいクルマ」を目指し、レクサスの新たな章の幕開けを象徴するモデルとしてフルモデルチェンジ。TNGAのGA-Kプラットフォームをベースに、基本性能を徹底的に磨き上げ、「Lexus Driving Signature」を追求しました。
- エクステリアデザインは、レクサスの新たなデザイン言語に基づき、スピンドルグリルをボディと一体化させた「スピンドルボディ」という新しい表現を採用。よりシームレスで存在感のある、先進的なスタイリングを実現。リアは、L字型と一文字のテールランプ、そして新しい「LEXUS」ロゴが特徴です。
- インテリアは、人間中心の思想「Tazuna Concept(手綱コンセプト)」に基づいたコクピットデザインを採用。大型の14インチタッチディスプレイを中心とした直感的な操作系と、上質な素材、そしてアンビエントイルミネーションなどが、心地よく運転に集中できる空間を創出。
- パワートレインは、電動化を核とした多様なラインナップ。「RX350h」(2.5Lハイブリッド)、「RX450h+」(レクサス初となる2.5Lプラグインハイブリッド)、そして「RX500h F SPORT Performance」(2.4Lターボハイブリッド+DIRECT4)という3つの電動化モデルに加え、2.4Lターボガソリン「RX350」を設定。特にRX500hは、電動化技術とダイナミックな走りを高次元で融合させた新しいパフォーマンスモデルです。
- 安全性能では、最新世代の予防安全パッケージ「Lexus Safety System + 3.0」を全車標準装備。プロアクティブドライビングアシスト(PDA)の機能向上や、高度運転支援技術「Lexus Teammate Advanced Park」(駐車支援)などを搭載。コネクティッド機能も大幅に進化し、より安全で快適なドライビング体験を提供します。この5代目は、レクサスが目指す次世代のラグジュアリーと走りを体現する、まさにブランド変革の象徴です。