メルセデス・ベンツ / MODEL HISTORY

Sクラス

S-Class
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メーカーメルセデス・ベンツ
初登場1972年
歴代7世代
現行世代7代目
目次

Sクラスとは

Sクラスは、メルセデス・ベンツの大型高級セダンを代表する系譜で、正式な「Sクラス」という名称は1972年のW116から始まります。歴代を通して単に装備を増やすのではなく、その時代の安全技術や乗員快適技術を先に実用化し、後の車種へ広げてきたことが車種の核です。W116のABS、W126のエアバッグ、W140のESP、W220のPRE-SAFEなどを並べると、その役割がよく分かります。

世代ごとの変化は、車体の大きさや意匠だけではありません。W140がV12や二重ガラスなどで重厚な快適性を追求したのに対し、W220は軽い車体にAIRMATIC、COMAND、DISTRONICを組み合わせます。ここから、乗り味と操作環境を電子制御で組み立てる考え方が前面に出ます。W221ではCOMANDコントローラーやDISTRONIC PLUS、ナイトビューを発展させ、2009年にはハイブリッドも加わっています。

2013年のW222は、ステレオカメラとレーダーを使うインテリジェントドライブが中核です。マジックボディコントロールや後席快適装備も組み合わせ、安全支援と乗り心地を同じ制御思想でまとめています。2021年のW223はMBUXを車内の中心に置き、リア・アクスルステアリング、後席左右リアエアバッグ、AR表示などを採用。運転席に加え、後席とデジタル操作まで含めて一台全体を制御する考え方が強くなっています。

現行W223は2026年にモデル史上最大規模とされる改良を受け、車両全体の50%以上、約2,700点が新規開発または再設計の対象です。第4世代MBUXとMB.OS、MBUXスーパースクリーンを導入し、同年9月には性能を高めた直列6気筒を積むS 500 4MATICとS 500 4MATIC longも追加。初期W223と改良後では、外観よりもデジタル基盤とパワートレイン構成まで含めて比較する意味があります。

Sクラスを30秒で理解

初代登場
1972年
歴代
7世代
Sクラスの基本
ABS、エアバッグ、ESP、PRE-SAFE、DISTRONICからMBUX/MB.OSまで、安全と車両制御の新技術を歴代で先行投入
ボディの変遷
大型4ドアセダンを軸に標準/ロングを展開し、重厚なW140から軽量化したW220、後席とデジタル機能を深めたW223へ発展
現行世代
7代目 W223

Sクラスらしさはどこにある?

安全技術を量産車へ持ち込んできた系譜

1978年のW116にABS、1981年のW126にエアバッグ、1995年のW140にESP、2002年のW220にPRE-SAFEが加わる流れは、Sクラスの技術史を端的に示します。安全装備の数が多いことより、当時は新しかった仕組みをSクラスで実用化し、その後のメルセデス車へ展開してきた経緯が歴代をつなぐ一本の軸として読み取れます。

後席の快適性を世代ごとに作り替える

歴代でロングホイールベースを用意し、運転する人と後席に乗る人の双方を設計の中心に置いてきたのがSクラスです。W140の広い室内と二重ガラス、W222のショーファーパッケージ、W223の後席左右リアエアバッグやリア・アクスルステアリングは、豪華装備の量より、静粛性、乗員保護、取り回しまで後席利用を支える仕組みがどう変わったかを見ると、世代差をつかみやすくなります。

W220を境に電子制御が車の性格を決める

W220ではAIRMATIC、COMAND、DISTRONICが登場し、電子制御そのものが乗り心地や操作性を作る時代へ入ります。W221のDISTRONIC PLUS、W222のインテリジェントドライブを経て、W223ではMBUXと車内センサー、ソフトウェア更新まで統合されています。古い世代と新しい世代では、同じSクラスでも価値の置き場所がかなり異なります。

現行型は2026年改良でデジタル基盤を更新

W223は2021年の日本導入時からMBUX、AR表示、リア・アクスルステアリングを用意。2026年改良では第4世代MBUXとMB.OSへ進み、MBUXスーパースクリーンが全車標準となります。さらにS 500 4MATIC系の追加でパワートレインの選択肢も変化しており、現行世代の中でも初期型と改良後を分けて考える必要があります。

歴代Sクラス比較

世代 販売期間 型式 この世代を一言で
初代 1972年9月~1980年9月 W116 W116は1972年に初めて正式にSクラスを名乗り、衝突安全を考えた設計とABSなどの新技術によって、後のSクラスが担う役割を明確にした初代です。
2代目 1980年1月~1991年10月 W126 W126は空力と軽量化を意識したボディに、1981年のエアバッグなど新しい安全技術を組み合わせ、Sクラスの技術を広く量産車へ展開する流れを強めた2代目です。
3代目 1991年4月~1998年9月 W140 W140は大きな車体と二重ガラス、メルセデス乗用車初のV12などで快適性と余裕を徹底し、後半にはESPとBASを加えて電子制御安全技術へ橋をかけた3代目です。
4代目 1998年9月~2005年10月 W220 W220はW140より軽快なパッケージへ切り替え、AIRMATIC、COMAND、DISTRONICなどを導入して、電子制御がSクラスの乗り味と操作環境を形づくる時代を始めた4代目です。
5代目 2005年10月~2013年11月 W221 W221はCOMANDコントローラー、DISTRONIC PLUS、ナイトビューなどで電子支援を一段深め、2009年の大幅改良とハイブリッド追加によって効率化も選択軸へ加えた5代目です。
6代目 2013年11月~2021年1月 W222 W222はインテリジェントドライブを軸にカメラとレーダーによる運転支援を統合し、マジックボディコントロールや後席装備も組み合わせて、安全と快適性を電子制御で結び付けた6代目です。
7代目 2021年1月~現行 W223 W223はMBUXを中心に車内のデジタル化を進め、リア・アクスルステアリングや後席左右リアエアバッグを採用。2026年の大規模改良でMB.OSまで更新した現行7代目です。

Sクラスの世代別詳細

各世代の型式、ボディ、特徴、向いている人、選ぶときの確認点を同じフォーマットで比較できます。

初代Sクラス W1161972年9月~1980年9月
型式
W116
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W116は1972年に初めて正式にSクラスを名乗り、衝突安全を考えた設計とABSなどの新技術によって、後のSクラスが担う役割を明確にした初代です。

POINTこの世代のポイント

  • 1972年9月に発表されたW116は、従来の上級セダンの流れを受けながら、初めて正式に「Sクラス」を名乗った世代です。車名が独立したことで、メルセデスの最上級セダンを継続的に技術開発の中心へ置く枠組みがはっきりしました。
  • 衝突時に保護される燃料タンクや安全ステアリングなど、車体全体で乗員保護を考える設計を採用。装飾や排気量の大きさとは別に、安全設計そのものを上級車の価値として扱った点がW116の重要な出発点です。
  • 1978年には、量産車として世界で初めてABSを選べるSクラスとなり、電子制御安全技術の先駆けを担います。強い制動時にも操舵性を保つ仕組みを市販車へ持ち込み、後に一般化する電子制御安全技術の先駆けになっています。
  • 1977年に北米向け300 SDが登場し、ターボディーゼルを大型高級セダンへ持ち込んだことも見逃せません。同じ世代の中に6気筒、V8、ディーゼルまで存在するため、W116を選ぶ際はエンジンの違いが車の性格を大きく分けます。

FITこんな人に向いている

Sクラスの原点と機械中心の感触を重視するなら。初代W116は、後の世代ほど電子制御に依存せず、1970年代のメルセデスが考えた大型セダンの安全設計を直接味わえる世代です。ABSが加わった後期や、北米向け300 SD、450 SEL 6.9など仕様の幅も大きいため、ひとくくりにせず年式とモデルを特定して比較する楽しさがあります。

CHECK選ぶときに見るポイント

1978年からABSが用意されるなど、同じW116でも安全装備は生産時期によって異なります。標準ボディとロング、6気筒とV8、地域限定の300 SDなど仕様の広がりもあるため、車名だけで判断せず、年式・型式・エンジンの組み合わせを確定してから候補同士を比べるのが自然です。

2代目Sクラス W1261980年1月~1991年10月
型式
W126
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W126は空力と軽量化を意識したボディに、1981年のエアバッグなど新しい安全技術を組み合わせ、Sクラスの技術を広く量産車へ展開する流れを強めた2代目です。

POINTこの世代のポイント

  • W126は空力を意識したボディと軽量化を進め、従来のクローム製から変形可能な樹脂バンパーへ切り替えています。大型高級車でも燃費や空気抵抗を無視しない方向へ舵を切った世代です。
  • 1981年には運転席エアバッグがSクラスへ入り、シートベルトを補う乗員保護が量産車に広がり始めます。シートベルトを補う乗員保護装置を量産車へ持ち込んだ出来事で、W116のABSに続いてSクラスが安全技術の実用化を先導する流れが続きます。
  • 新しい軽合金V8を含むエンジン群も、重量削減と効率向上を同時に狙った設計です。大排気量だけを上級車の価値とせず、車体とパワートレインを含めた効率を意識した点がW116との違いです。
  • 長いモデルライフの後半には助手席エアバッグも加わり、安全装備の対象は運転者中心から乗員全体へ広がります。中古車として見る場合、同じW126でも製造時期によって安全装備の前提が異なります。

FITこんな人に向いている

クラシックな造形と安全技術の転換期を見たいなら。W126はクローム主体だった従来の意匠から樹脂バンパーを取り入れ、空力と軽量化にも踏み込んだ世代です。電子化が全面に出る前の質感を残しながら、エアバッグという後の標準装備につながる技術が入ってくるため、古典的なSクラスと現代的な安全思想の境目として位置づけやすい世代です。

CHECK選ぶときに見るポイント

1981年に運転席エアバッグが登場し、1988年には助手席側も設定されるなど、安全装備は世代途中で拡充されています。長い生産期間の中でエンジンや装備も変わるため、前期・後期だけの区分では粗く、製造年と具体的な安全装備を合わせて見ると候補の違いがつかみやすくなります。

3代目Sクラス W1401991年4月~1998年9月
型式
W140
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W140は大きな車体と二重ガラス、メルセデス乗用車初のV12などで快適性と余裕を徹底し、後半にはESPとBASを加えて電子制御安全技術へ橋をかけた3代目です。

POINTこの世代のポイント

  • 1991年登場のW140は、広い室内と二重ガラス、大きな外形寸法によって物理的な余裕を徹底しています。後のW220が軽量化へ向かうため、Sクラス史の中では重厚さを前面に出した時代として位置付けやすい世代です。
  • メルセデス・ベンツの量産乗用車として初のV12も設定され、最上級モデルでは動力性能と静粛性を別次元まで広げます。直6やV8も存在するため、W140ではエンジン選択そのものが車のキャラクターを大きく変えます。
  • 1995年にESP、翌年にBASが加わり、電子制御による予防安全が世代後半の重要な軸へ変わります。W126で広がった受動安全に加えて、車両の挙動を電子制御で支える考え方が明確になり、次世代のSクラスへ続く転換点です。
  • 1993年の名称体系変更以降、500 SE/SELのような表記はS 500などへ移ります。年式によって名称と装備の読み方が変わるため、中古車ではエンブレムだけで世代前半・後半の仕様を判断しない方が分かりやすいです。

FITこんな人に向いている

重厚な乗り味と1990年代の最上級設計を味わうなら。W140はサイズと静粛性、V12を含むエンジン構成など、物理的な余裕を大きく取ったSクラスです。後期にはESPやBASも入るため、重厚な機械設計だけの世代ではありません。装備の変化まで含めると、前半と後半で見え方が変わります。

CHECK選ぶときに見るポイント

1995年にESPがS 600 Coupéへ導入され、1996年末にはBASが140シリーズへ標準化されるなど、モデル後半で電子制御安全技術が増えています。V12を含むエンジン差、標準/ロングの車体差、そして安全装備の導入時期まで重ねると、同じW140でも候補はかなり絞れます。

4代目Sクラス W2201998年9月~2005年10月
型式
W220
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W220はW140より軽快なパッケージへ切り替え、AIRMATIC、COMAND、DISTRONICなどを導入して、電子制御がSクラスの乗り味と操作環境を形づくる時代を始めた4代目です。

POINTこの世代のポイント

  • 1998年登場のW220はW140から大幅に軽くなり、同等の室内性をより細身のボディに収めています。大きさで威厳を示す方向から、効率と技術密度で最上級車を作る方向へ移ったことが世代交代の核心です。
  • AIRMATIC、COMAND、DISTRONICによって、電子技術の対象はサスペンション、情報操作、車間制御へ広がります。1999年にはABCも加わり、機械的な基本設計と電子制御の組み合わせがグレードごとの差を生みます。
  • 2002年のPRE-SAFEは、衝突が避けにくい状況を検知した段階から乗員保護の準備へ入る仕組みです。事故後の保護だけだった安全思想を、事故直前まで広げています。事故後の保護に加え、事故直前の状態まで安全技術の対象にした点がW220の大きな節目です。
  • モデル後半には4MATICが加わり、Sクラスでも駆動方式が明確な選択軸となります。FRを基本に見る初期型と、四輪駆動を含む後期では使い方の想定が異なるため、W220は年式と駆動方式をセットで見たい世代です。

FITこんな人に向いている

クラシックから電子制御型Sクラスへの転換を重視するなら。W220はW140の大きさと重厚感をそのまま拡大せず、軽量化した車体へエアサスペンション、車間制御、統合操作系を組み込む設計です。外観の好み以上に、Sクラスの作り方が変わった世代です。2002年のPRE-SAFEや後期の4MATICまで含め、改良時期による技術差を楽しめます。

CHECK選ぶときに見るポイント

初期からAIRMATIC、COMAND、DISTRONICを持ち、ABCは1999年、PRE-SAFEは2002年、4MATICは後期に加わります。装備名が似ていても全車に同じ機構が入るわけではないため、候補車ではサスペンション方式、駆動方式、運転支援の組み合わせを年式とグレードに結び付けて見る必要があります。

5代目Sクラス W2212005年10月~2013年11月
型式
W221
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W221はCOMANDコントローラー、DISTRONIC PLUS、ナイトビューなどで電子支援を一段深め、2009年の大幅改良とハイブリッド追加によって効率化も選択軸へ加えた5代目です。

POINTこの世代のポイント

  • W221ではCOMANDコントローラーを使う操作系が入り、複数の車載機能をセンターコンソールから扱う形が定着します。画面と物理スイッチが分散していたW220から、操作体系そのものをまとめる方向へ進んでいます。
  • DISTRONIC PLUS、ブレーキアシストPLUS、ナイトビューアシストなど、周囲を検知して運転を支える機能が大きく増えています。安全技術の中心は衝突時の保護から、危険を早く見つけて運転操作を助ける領域まで広がっています。
  • 2009年の大幅改良は内外装、安全装備、シャシーを更新し、日本にはSクラス HYBRID ロングも加える内容です。量産ハイブリッド車としてリチウムイオンバッテリーを使う構成を採り、大型高級セダンでも電動化を進める節目になっています。
  • W221は標準ボディとロングに加え、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、高性能仕様まで選択肢が広い世代です。世代名だけでは用途もメカニズムも揃わないため、候補車を比較するときはボディ長とパワートレインを最初に分けると違いが見えます。

FITこんな人に向いている

運転支援と内装操作の近代化を重視するなら。W221はW220で始まった電子化を、操作系と運転支援の両面で整理した世代です。2009年の大幅改良では内外装と安全装備を更新し、Sクラス HYBRID ロングも導入。前期と後期で選ぶ意味がはっきりしているため、装備とパワートレインを基準に候補を絞りやすい世代でもあります。

CHECK選ぶときに見るポイント

日本では2005年10月に販売が始まり、2009年9月の大幅改良が前期と後期を分ける大きな境目です。同時にハイブリッドが加わっているため、前期ガソリン系、改良後のガソリン/ディーゼル系、ハイブリッドを同列に扱うと比較軸がぼやけます。年式を2009年改良の前後で分け、そのうえでエンジンと安全装備の組み合わせを見ると違いを追いやすくなります。

6代目Sクラス W2222013年11月~2021年1月
型式
W222
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W222はインテリジェントドライブを軸にカメラとレーダーによる運転支援を統合し、マジックボディコントロールや後席装備も組み合わせて、安全と快適性を電子制御で結び付けた6代目です。

POINTこの世代のポイント

  • 2013年のW222では、ステレオマルチパーパスカメラとレーダーを組み合わせる「インテリジェントドライブ」が中心技術です。車間維持、ステアリング支援、飛び出し検知などを個別機能ではなく、周囲を継続して把握する一連の支援としてまとめています。
  • 前方の路面をカメラで読み取ってサスペンションを制御するマジックボディコントロールを一部モデルに設定。従来の事後的な反応から一歩進み、路面を先に認識して車体姿勢を整える考え方です。
  • ロングにはエグゼクティブリアシートを含むショーファーパッケージを設定し、後席の快適性を独立した商品軸として扱います。運転支援の高度化と後席重視を同時に進めたことが、W222らしい二面性です。
  • アルミニウムハイブリッドボディシェルで約100kgの軽量化を図り、導入時からハイブリッドをエントリー側に置く構成です。大型高級車の効率化をエンジン単体ではなく、車体と電動化を含めて進めた世代です。

FITこんな人に向いている

現代的な運転支援と後席快適性を両方求めるなら。W222は2010年代らしい運転支援を備えながら、ロングにはショーファー用途を強く意識した装備も用意した世代です。2017年の大幅改良で運転支援やパワートレインが更新されるため、初期型と後期型では比較する装備の前提が異なります。W223ほど表示系がタッチ操作中心ではない点も世代差です。

CHECK選ぶときに見るポイント

2013年の日本導入時はS 400 HYBRID、S 550 long、S 63 AMG系などで始まり、2017年の大幅改良を境に運転支援とパワートレインの構成が変わります。初期・後期ではメーターやステアリング周辺の印象に加え、支援機能の世代も異なります。年式と正式グレードをセットで比較する価値があります。

7代目現行世代Sクラス W2232021年1月~現行
型式
W223
主なボディ
4ドアセダン/ロング
この世代を一言で
W223はMBUXを中心に車内のデジタル化を進め、リア・アクスルステアリングや後席左右リアエアバッグを採用。2026年の大規模改良でMB.OSまで更新した現行7代目です。

POINTこの世代のポイント

  • 2021年1月に日本で発売されたW223は、MBUXを中核に据え、指紋・顔・声による認証やARヘッドアップディスプレイなどを用意しています。車内操作がスイッチ中心から、画面とソフトウェアを軸にした環境へ大きく変わっています。
  • 後席左右リアエアバッグは、ショーファー用途の多いSクラスで後席乗員の保護を一段深める装備です。Sクラスが長く重視してきたショーファー用途に対し、快適装備に加え、安全技術まで後席専用に発展させたところまで踏み込んだのがW223です。
  • リア・アクスルステアリングは、大きなボディの取り回しと高速時の安定性を両立させるための仕組みです。ロングボディを選ぶ場合でも、全長だけでは扱いやすさを判断できなくなっています。
  • 2026年改良では車両全体の50%以上、約2,700点が新規開発または再設計の対象となり、第4世代MBUX、MB.OS、MBUXスーパースクリーンが入ります。外観変更にとどまらない更新なので、初期型と改良後は同じW223でもデジタル機能を分けて比較する必要があります。

FITこんな人に向いている

最新のデジタル機能と取り回しまで含めて選ぶなら。W223は大型セダンでありながらリア・アクスルステアリングを設定し、MBUX、生体認証、AR表示によって操作環境も大きく変えています。2026年改良後はMB.OSと第4世代MBUX、スーパースクリーンへ移行しているため、現行世代内でもデジタル基盤の世代差が明確です。新車と高年式中古車を並べるなら、この改良境界が最初の比較軸です。

CHECK選ぶときに見るポイント

2021年導入時のS 400 d 4MATIC/S 500 4MATIC系と、2026年の大規模改良後ではインフォテインメント基盤が異なります。改良後はS 450 d 4MATICから導入され、9月にはS 500 4MATICとlongが追加されたため、初期W223と同じグレード構成として見ない方が正確です。リア・アクスルステアリングなどオプション差も含め、年式と装備内容を一緒に見る必要があります。

Sクラスはどう進化してきたか

W116とW126で安全技術を先行実用化

正式なSクラスとして始まったW116はABS、W126はエアバッグを量産車へ投入し、安全技術を車種の中心価値に据えます。どちらも後に一般化する装備で、Sクラスが最上級セダンであると同時に、新技術を市場へ出す役割を担っていたことが分かります。

W140からW220へ、重厚さより技術密度へ

W140はV12や二重ガラス、大きな車体で物理的な余裕を徹底する世代です。W220では軽量化したボディにAIRMATIC、COMAND、DISTRONICを組み込み、最上級車の価値を、車体の大きさから電子制御の技術密度へ移す方向に転換。ここを境に、装備と制御システムの違いが世代選びへ強く影響します。

W221とW222で運転支援を統合

W221のDISTRONIC PLUSやナイトビューから、W222のインテリジェントドライブへ進むと、カメラとレーダーによる周囲認識が統合されます。サスペンションも路面を先読みするマジックボディコントロールへ進み、安全と快適性がセンサーと制御を介して結び付きます。

W223はソフトウェア基盤まで世代差になる

2021年型はMBUX、生体認証、AR表示で操作環境を変え、2026年改良ではMB.OSと第4世代MBUXへ更新されます。Sクラスの改良点は機械部品や外観に加え、車内の情報処理基盤まで改良対象に含まれます。W223を比べるときは、同じ型式内でもソフトウェア世代を無視できません。

Sクラスはどの世代を選ぶ?

機械中心のSクラスを選ぶ

W116とW126は、後年のSクラスに比べて電子制御が少なく、車体設計やエンジン、足まわりの作りが車の印象を直接決める世代です。W116ならABS導入前後、W126ならエアバッグの拡充時期まで見ると、クラシックなSクラスの中でも安全技術の進み方を選べます。

重厚なW140か、電子化したW220か

W140は大きな車体、二重ガラス、V12など物理的な余裕が中心。W220は軽量化した車体にAIRMATIC、COMAND、DISTRONICを重ね、電子制御型のSクラスへ切り替わる世代です。1990年代の二世代は見た目以上に設計思想が違うため、何にSクラスらしさを求めるかで選択が分かれます。

運転支援の新しさならW221とW222を分ける

W221でもDISTRONIC PLUSやナイトビューを使えますが、W222はカメラとレーダーを統合したインテリジェントドライブへ進んでいます。W222後期では支援機能とパワートレインが更新されます。運転支援を重視するなら、2017年改良の前後まで分けると比較が具体的です。

W223は2026年改良の前後を別枠で考える

2021年型からMBUXやリア・アクスルステアリングを備え、2026年改良後はMB.OS、第4世代MBUX、MBUXスーパースクリーンへ更新されます。同年9月にはS 500 4MATIC系も加わっているため、最新の操作環境を優先するのか、初期W223も含めて探すのかで候補の範囲が変わります。

Sクラスを選ぶときに確認したいポイント

W116・W126は安全装備の導入時期まで見る

W116のABSは1978年から、W126の運転席エアバッグは1981年からで、後には助手席側も追加されています。古いSクラスでは年式が数年違うだけで安全装備の前提が変わるため、同じ型式なら同内容と考えず、製造時期と装着装備を一組として比較すると世代内の違いを正しく捉えられます。

W220はAIRMATIC・ABC・4MATICを混同しない

W220はAIRMATICを軸に、1999年からABC、後期には4MATICも加わる構成です。サスペンション方式と駆動方式は別の選択軸で、グレードによって組み合わせも変わります。車名や外観が近くてもメカニズムが同じとは限らないため、装備欄より先に車両の正式仕様を特定すると比較が崩れません。

W221は2009年改良とハイブリッド追加が境目

2009年9月の大幅改良は内外装と安全装備を更新し、Sクラス HYBRID ロングを日本へ加える節目です。前期と改良後では装備差があり、ハイブリッドはパワートレインも別系統です。W221を探すときは、2009年改良の前後と動力源を組み合わせて候補を整理すると、比較対象が揃います。

W222・W223は大きな改良境界を先に決める

W222は2017年の大幅改良、W223は2026年の大規模改良が大きな分岐です。とくにW223はMB.OSと第4世代MBUXへ移ったため、画面デザインの違いだけではありません。高年式中古車まで含める場合、欲しい運転支援やデジタル機能を先に決めてから改良前後を選ぶと、同じ世代内の仕様差を整理しやすくなります。

現行モデル情報

7代目 Sクラス W223

情報確認:2026年9月

S 500 4MATICとS 500 4MATIC longを追加

2026年6月に導入された改良型Sクラスへ、S 500 4MATICとS 500 4MATIC longが加わります。性能を高めた直列6気筒エンジンとISGを組み合わせ、ディーゼルのS 450 d 4MATICから始まった日本向け改良型ラインアップにガソリン系が加わっています。

モデル史上最大規模の改良を実施

車両全体の50%以上、約2,700点を新規開発または再設計し、第4世代MBUXとMB.OSを採用する大規模改良です。MBUXスーパースクリーンを全車標準装備し、ソフトウェアのOTA更新にも対応。日本ではS 450 d 4MATICから予約注文を開始しています。

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