【音声配信】スズキ スイフト歴代モデルの概要
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目次
スズキ スイフトの概要
スズキ スイフトは、2000年に初代が世界戦略車としてその歴史をスタートさせて以来、日本の、そして世界のコンパクトカー市場において、常に「走る楽しさ」と「スタイリッシュなデザイン」で独自の輝きを放ち続けてきた、スズキを代表するモデルです。特に欧州の厳しい道路環境で鍛え上げられたその卓越したハンドリング性能と安定感は、歴代モデルを通じて高く評価され、多くのドライバーに運転することの根源的な喜びを提供してきました。
歴代スイフトを貫くのは、単なる経済性や実用性だけに留まらない、ドライバーの感性に訴えかけるクルマづくりへの情熱です。その象徴とも言える高性能モデル「スイフトスポーツ」の存在は、ブランド全体のスポーティなイメージを強力に牽引。時代と共に進化する環境性能や先進安全技術を搭載しながらも、常に人馬一体となれるような軽快な走りを追求し続ける、才気あふれるコンパクトカーなのです。
スズキ スイフトの歴代モデル概要
初代 スイフト (HT51S/HT81S型)
- 販売期間:2000年2月 – 2004年11月 (スポーツは2006年まで継続)
- 型式:HT51S (1.3L), HT81S (1.5L スポーツ)
- 特徴:
- それまでの軽自動車ベースのモデルとは一線を画す、全く新しい小型乗用車として開発された初代。スズキの「世界戦略車」第一弾として、グローバルな視点での品質と性能を目指しました。
- エクステリアは、背が高くコンパクトながらも、安定感のある台形フォルムが特徴。3ドアと5ドアのハッチバックが設定されました。
- パワートレインには、新開発の1.3L 直列4気筒「M13A」型エンジンを搭載。軽量なボディと相まって、キビキビとした軽快な走りを提供しました。
- この世代のハイライトは、2003年6月に追加された「スイフトスポーツ」(HT81S型)です。専用の1.5L「M15A」型エンジン、クロスレシオの5速MT、そして専用チューニングされた足回りを持ち、その軽量ボディ(930kg)と相まって、ホットハッチとしての痛快な走りを提供。その後のスイフトスポーツ伝説の幕開けとなりました。
2代目 スイフト (ZC11S/ZD11S/ZC21S/ZD21S/ZC31S型)
- 販売期間:2004年11月 – 2010年9月
- 型式:ZC11S/ZD11S (1.3L), ZC21S/ZD21S (1.5L), ZC31S (1.6L スポーツ) など
- 特徴:
- 「クルマ作りの原点に戻る」という強い意志のもと、プラットフォームから全てを新開発した2代目。特に欧州市場での評価を強く意識し、開発プロセスには欧州での長期走行テストが組み込まれました。その結果、走行性能は飛躍的に向上。
- エクステリアは、低くワイドなスタンスと、躍動感あふれるヨーロピアンなデザインへと大変貌。インテリアも、質感とデザイン性を大幅に向上させました。
- パワートレインは、1.3L「M13A」型と1.5L「M15A」型エンジンを搭載。後期には新開発の1.2L「K12B」型エンジンも追加され、燃費性能を高めました。
- そして、この世代の評価を決定づけたのが、2005年9月に登場した「スイフトスポーツ」(ZC31S型)です。専用開発の1.6L 高回転型自然吸気エンジン「M16A」と、専用チューニングされたシャシー、そして3ドアの専用ボディ(国内仕様)は、世界中のモータージャーナリストから絶賛され、コンパクトホットハッチのベンチマークとしての地位を確立しました。
3代目 スイフト (ZC72S/ZD72S/ZC32S型)
- 販売期間:2010年9月 – 2017年1月
- 型式:ZC72S/ZD72S (1.2L), ZC32S (1.6L スポーツ)
- 特徴:
- 「More SWIFT」をコンセプトに、先代で高い評価を得た「走り」「デザイン」「燃費」の全てをさらに磨き上げた3代目。プラットフォームを刷新し、高張力鋼板の使用拡大などにより、高剛性化と軽量化を両立しました。
- エクステリアは、先代のイメージを踏襲しつつ、よりダイナミックで流麗なデザインへと進化。インテリアも、スポーティさと上質感を両立させたデザインとなりました。
- パワートレインは、標準モデルに副変速機構付CVTと組み合わせた1.2L「K12B」型エンジンを搭載。後期には、吸気側に加え排気側にも可変バルブタイミング機構を備えた「デュアルジェットエンジン」と、減速エネルギー回生機構「エネチャージ」を採用し、燃費性能を大幅に向上させました。
- 2011年11月に登場した「スイフトスポーツ」(ZC32S型)は、ファンの期待に応え、改良型の1.6L「M16A」型自然吸気エンジンを搭載。トランスミッションには新たに6速MTが採用され、高回転まで気持ちよく吹け上がるNAエンジンならではのドライビングプレジャーを提供し、多くのファンを魅了しました。
4代目 スイフト (ZC#3S/ZD#3S型)
- 販売期間:2017年1月 – 2023年12月
- 型式:ZC13S (1.0Lターボ), ZC53S/ZD53S (1.2Lハイブリッド), ZC83S/ZD83S (1.2Lガソリン), ZC43S (1.2Lストロングハイブリッド), ZC33S (1.4Lターボ スポーツ)
- 特徴:
- 「“HEARTECT(ハーテクト)” The Body」をテーマに、新開発の軽量高剛性プラットフォーム「HEARTECT」を採用し、走行性能と安全性能、そして燃費性能を飛躍的に向上させた4代目。
- エクステリアは、より低くワイドなスタンスと、筋肉質でアグレッシブなデザインが特徴。後席ドアハンドルをCピラーに隠すことで、クーペのようなスポーティなルックを演出。
- パワートレインの多様化がこの世代の大きな特徴。1.2Lデュアルジェットエンジンに加え、ISGを用いたマイルドハイブリッド、そして1.0L直噴ターボ「ブースタージェットエンジン」搭載の「RSt」もラインナップ。さらに、AGS(オートギヤシフト)を組み合わせた独自のストロングハイブリッドも設定されました。
- 安全性能では、単眼カメラとレーザーレーダー(後期型ではデュアルカメラ)を用いた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」などを含む、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を搭載。アダプティブクルーズコントロール(ACC)も採用されました。
- 2017年9月に登場した「スイフトスポーツ」(ZC33S型)は、歴代の自然吸気エンジンから、パワフルな1.4L直噴ターボ「ブースタージェットエンジン」へと大変貌。圧倒的なトルクと軽量ボディ(970kg~)の組み合わせは、世界中のホットハッチファンに衝撃を与え、新たな伝説を築きました。
5代目 スイフト (A2L型)
- 販売期間:2023年12月 – 現在 (2025年6月時点)
- 型式:(例:ZCDDS, ZDDDSなど。パワートレインや駆動方式で細分化)
- 特徴:
- 「エネルギッシュ×軽やか 日常の移動を遊びに変える洗練されたスマートコンパクト」をコンセプトに、デザイン、走り、安全性能の全てを磨き上げた最新世代。歴代スイフトが培ってきた「走りのDNA」を継承しつつ、現代に求められる高い効率性と先進性を融合させています。
- エクステリアは、ボディ全体を包み込むようなラウンド形状と、筋肉質なフェンダーライン、そしてシャープなヘッドランプが特徴。より個性的で洗練されたデザインへと進化しました。
- パワートレインには、新開発の1.2L 3気筒「Z12E」型エンジンを搭載。徹底した効率追求により、優れた燃費性能を実現。このエンジンにISGを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムも設定されています。トランスミッションは新開発のCVTに加え、一部グレードには5速MTも用意され、走りを愛するファンに応えています。
- プラットフォームは、進化した「HEARTECT」を採用し、ボディ剛性と静粛性を向上。サスペンションも改良され、応答性の良いハンドリングと、しなやかな乗り心地を高次元で両立。
- 安全性能では、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた最新の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBS II)」を搭載。検知範囲の拡大やアダプティブクルーズコントロール(ACC)[全車速追従機能・停止保持機能付]の性能向上、そしてドライバーモニタリングシステム(一部グレード)など、先進の「スズキ セーフティ サポート」が、より安心なドライブを支えます。
- 2025年6月現在、この5代目スイフトをベースとした新型「スイフトスポーツ」の登場が、世界中のファンから待望されています。