スズキ / MODEL HISTORY
ワゴンR
目次
ワゴンRとは
ワゴンRは1993年9月に登場し、それまでセダン型が中心だった軽自動車へ「背を高くして、人も荷物も使いやすくする」という新しい考え方を持ち込んだモデルです。高めの着座位置、広い頭上空間、縦方向を使った荷室を軽規格の中へ収め、発売後は“軽ワゴン”という市場そのものを広げました。初代が作ったこの考え方は、後のスペーシアやハスラーにもつながるスズキの軽自動車づくりの基礎になっています。
2代目以降は、広さだけでなく日常の扱いやすさを磨いてきました。1998年の2代目は新しい軽規格へ対応し、2003年の3代目では新プラットフォームと最小回転半径4.1mを組み合わせ、乗降性や収納も改善。2008年の4代目は居住空間をさらに広げながらRJCカーオブザイヤーを受賞し、ワゴンRは“広い軽”から“毎日使う万能型の生活車”へ役割を定着させています。
5代目では進化の軸が環境性能へ大きく移りました。2012年にエネチャージ、エコクール、新アイドリングストップを初採用し、車体も最大70kg軽量化。2014年にはS-エネチャージへ進み、発電だけでなく加速時のモーターアシストまで使うようになります。ワゴンRはこの時期、広い室内を維持したまま燃費技術を実用化する“スズキグリーン テクノロジー”の先頭車種として使われました。
現行6代目は2017年にHEARTECTとマイルドハイブリッドを採用し、室内の広さと低燃費をさらに両立。2020年にはR06D型エンジンと新CVT、2022年には夜間歩行者対応のデュアルカメラブレーキサポートやACC、2025年12月にはDSBS II、車線逸脱抑制、4.2インチカラーMID、ステアリングヒーターまで追加されました。現在は外観をカスタムZ系のデザインへ集約し、ZLとHYBRID ZXを中心に、5MTも残しながら安全・快適性を高めた構成です。
ワゴンRを30秒で理解
- 初代登場
- 1993年
- 歴代
- 6世代
- ワゴンRの基本
- 軽ワゴンの高効率パッケージを軸に、エネチャージ、S-エネチャージ、HEARTECT+マイルドハイブリッド、DSBS IIへ発展
- ボディの変遷
- 初代の背高セミボンネット型から、広さ・小回り・収納を磨き続け、6代目では複数フェイスからカスタムZ系の外観へ整理
- 現行世代
- 6代目 MH35S/MH55S
ワゴンRらしさはどこにある?
“軽ワゴン”という市場を作ったパッケージング
初代は高い全高と着座位置を使って、軽規格の床面積を変えずに人と荷物の空間を増やしました。2代目以降も角型のボディ、広い開口部、可倒式後席などを改良し続け、2023年には国内累計500万台へ到達。ワゴンRの価値は単に背が高いことではなく、限られた寸法を日常の使いやすさへ変換した点にあります。
広さを増やしても、街中で扱える小回りを守ってきた
3代目は新プラットフォームを採用しながら最小回転半径4.1m、5代目もロングホイールベース化しつつ4.4mを確保しました。室内長や乗員間距離を伸ばすだけなら車体を大きくする方法もありますが、ワゴンRは軽規格のまま日常の駐車や狭路を犠牲にしない方向を選び続けています。広さと取り回しを同時に求めることが、歴代を通じた設計の軸です。
低燃費技術の実験場から、マイルドハイブリッドの量産車へ
5代目ではエネチャージ、エコクール、新アイドリングストップを導入し、2014年にS-エネチャージへ発展しました。6代目はHEARTECTで車体を軽くしたうえでマイルドハイブリッドを採用し、2020年には高効率なR06D型と新CVTへ更新。燃費をエンジン単体で稼ぐのではなく、回生、モーターアシスト、軽量化を組み合わせる流れがワゴンRで形になっています。
現行型は“ベーシック軽”に安全・快適装備を集約
6代目は2017年の登場時から複数の外観を用意していましたが、2025年改良ではカスタムZ系のデザインをベースに外観を1つへ整理しました。同時にDSBS II、車線逸脱抑制、カラーMID、ステアリングヒーターを採用。選択肢を増やすより、日常で必要な安全・快適装備を基本仕様へまとめる方向へ変化しています。
歴代ワゴンR比較
| 世代 | 販売期間 | 型式 | この世代を一言で |
|---|---|---|---|
| 初代 | 1993年9月~1998年10月 | CT21S | 初代CT21Sは、背の高いセミボンネット型ボディで軽自動車に“軽ワゴン”という新ジャンルを作り、現在まで続くワゴンRの空間効率と日常性の原点になった世代です。 |
| 2代目 | 1998年10月~2003年9月 | MC11S/MC21S | 2代目MC11S/MC21Sは、新軽規格への対応と5ドア化を進め、RRなどスポーティ仕様も本格展開。初代で生まれた軽ワゴンをより幅広い生活車へ育てた世代です。 |
| 3代目 | 2003年9月~2008年9月 | MH21S | 3代目MH21Sは、新プラットフォームで広さ・小回り・乗り心地をまとめて改善し、万能型ワゴンとして完成度を高めた世代です。 |
| 4代目 | 2008年9月~2012年9月 | MH23S | 4代目MH23Sは、室内と乗員間距離を広げながら走行・燃費性能も磨き、2009年次RJCカーオブザイヤーを受賞した成熟型の軽ワゴンです。 |
| 5代目 | 2012年9月~2017年2月 | MH34S | 5代目MH34Sは、エネチャージ・エコクール・大幅軽量化で低燃費技術を前面に出し、後期にはS-エネチャージや衝突被害軽減ブレーキまで広げた世代です。 |
| 6代目 | 2017年2月~現行 | MH35S/MH55S | 6代目MH35S/MH55S系は、HEARTECTとマイルドハイブリッドで軽さと広さを両立し、2025年改良でDSBS IIと最新快適装備まで取り込んだ現行世代です。 |
ワゴンRの世代別詳細
各世代の型式、ボディ、特徴、向いている人、選ぶときの確認点を同じフォーマットで比較できます。
- 型式
- CT21S
- 主なボディ
- 5ドア 軽ワゴン
- この世代を一言で
- 初代CT21Sは、背の高いセミボンネット型ボディで軽自動車に“軽ワゴン”という新ジャンルを作り、現在まで続くワゴンRの空間効率と日常性の原点になった世代です。
POINTこの世代のポイント
- 1993年9月に登場した初代は、セダン型が主流だった軽自動車へ“背の高いワゴン”という発想を持ち込みました。高めのシート位置、広い頭上空間、荷物を縦方向にも積める角型ボディを採用し、軽規格の面積を変えずに室内を広く使う方法を提示。現在の軽ハイトワゴンにつながる市場の起点になりました。
- 初代の使いやすさは室内の広さだけではありません。乗り降りしやすいシート高、見切りの良い四角い車体、日常の荷物を積みやすいラゲッジを一つにまとめ、通勤・買い物・家族利用を1台でこなせる生活車として支持を広げました。発売3年余りで累計50万台へ達した背景には、この“毎日使う道具としての新しさ”があります。
- 1998年にはスポーティなRR系も登場し、DOHCターボやエアロパーツを組み合わせることで、実用ワゴンの中に走りと外観を求める選択肢も生まれました。後のスティングレーやカスタムZへ続く『標準車とは別のスポーティな顔』の源流として、ワゴンRのユーザー層を広げた点も初代後期の特徴です。
- 1998年10月の新軽規格移行に合わせて2代目へ交代しましたが、背の高い角型ボディと使いやすい室内という考え方はそのまま継承されました。初代を振り返る意味は、装備や燃費の比較ではなく、今では一般的になった軽ワゴンという形を最初に商品として成立させたことにあります。
FITこんな人に向いている
ワゴンRの原点と、1990年代のシンプルな軽ワゴンを楽しみたいなら。初代は最新世代の安全支援や低燃費技術とは別の魅力を持つ車です。高めの着座位置と広い頭上空間、角型ボディによる見切りの良さなど、後の軽ワゴンが当たり前にした考え方を最も素朴な形で味わえます。現存車では装備差より車体・機関の状態を優先して探す必要があります。
CHECK選ぶときに見るポイント
購入候補ではRA/RG/RXなどのグレード名より、腐食、冷却系、足回り、電装、ゴム部品の経年状態を先に見ます。1993年発売の車なので、日常の主力車として使うなら部品供給と整備できる工場も含めて考えるべき世代です。RRなどスポーティ仕様を狙う場合は、改造歴や過去の使われ方も価格以上に重要になります。
- 型式
- MC11S/MC21S
- 主なボディ
- 5ドア 軽ワゴン
- この世代を一言で
- 2代目MC11S/MC21Sは、新軽規格への対応と5ドア化を進め、RRなどスポーティ仕様も本格展開。初代で生まれた軽ワゴンをより幅広い生活車へ育てた世代です。
POINTこの世代のポイント
- 1998年10月の2代目は、新しい軽自動車規格へ合わせてボディを刷新しました。初代の高い全高と角型シルエットを残しながら、安全性と居住空間を拡大し、5ドアの使い勝手も定着。軽ワゴンの新しさを売る段階から、家族が普通に選ぶ主力軽へ成熟する時期に入ります。
- 通常のRX/FX系に加え、ターボのFX-TやRRを用意し、K6A型も展開しました。実用車とスポーティ仕様を同じ車系で選べる構成が広がり、ワゴンRは年齢や用途を問わず選ばれるモデルへ変化。後のスティングレーへつながる高性能・高意匠系の需要も、この世代でより明確になります。
- 2代目は国内だけでなく海外展開も広がった時期です。1999年にインド、2000年にハンガリーで生産が始まり、ワゴンRの省スペース思想が地域ごとの小型車へ応用されました。日本の軽規格で磨いた空間効率が、単なる国内専用車のノウハウではなく世界で使える設計思想へ広がった節目です。
- 2003年9月までの約5年間で累計販売は200万台規模へ近づき、ワゴンRは軽自動車の定番になりました。中古としては古さが大きな条件になりますが、初代より実用性が高く、3代目ほど現代的に整理されていない“軽ワゴンの成長期”を味わえる世代です。
FITこんな人に向いている
初代らしい軽さを残しつつ、5ドアの実用性と選択肢を求めるなら。2代目は新軽規格へ対応して安全性と室内を拡大し、通常のRX/FX系からターボのFX-T、RRまで幅広い仕様がありました。現在では十分に古い車ですが、初代より5ドアの使い勝手が一般化し、日常車としての完成度が上がっています。古い軽ワゴンを趣味として維持したい人には比較する価値があります。
CHECK選ぶときに見るポイント
2代目を探すときは、まず『普段使いのNA車を探すのか、ターボやRR系を狙うのか』を決めてから候補を分けます。この世代はF6AとK6Aが混在し、ターボ車では過給器や冷却系、オイル管理の履歴が車両状態に直結します。見た目やグレード名より、エンジン型式と整備記録をそろえて比較した方が、購入後の維持費を読みやすくなります。ボディの腐食やゴム部品の劣化も進んでいるため、希少仕様であっても状態が悪ければ無理に追わない方が現実的です。
- 型式
- MH21S
- 主なボディ
- 5ドア 軽ワゴン
- この世代を一言で
- 3代目MH21Sは、新プラットフォームで広さ・小回り・乗り心地をまとめて改善し、万能型ワゴンとして完成度を高めた世代です。
POINTこの世代のポイント
- 2003年9月の3代目は『様々なユーザー、様々な使用シーンに対応する万能型ワゴン』を掲げ、新プラットフォームを採用しました。屋根を長く広く取って室内を拡大し、ドア開口やシート調整、収納も見直し。軽ワゴンとしての広さを、実際の乗降や日常動作まで含めて使いやすくした世代です。
- 最小回転半径は4.1mまで小さく抑えられました。室内を広げた一方で狭い道や駐車場の扱いやすさを落とさず、新プラットフォームで乗り心地や走行安定性も改善。『広いほど大きく感じる』という弱点を作らず、街中の生活車としての完成度を上げたことが3代目の大きな意味です。
- 2006年にはFX-SリミテッドへCVTを設定し、22.5km/Lの低燃費を実現しました。エンジンや外観だけでなく変速機の効率化へ進み始めた時期で、後のエネチャージやマイルドハイブリッドへ至る前段階として、燃費改善の方法が広がっています。
- 2007年にはワゴンRスティングレーが登場し、標準ワゴンRとは異なるフロントデザインと内装を持つ派生が定着しました。実用車としてのFX系と、見た目・装備を重視するスティングレーを分ける考え方は、その後のカスタムZまで続く商品構成の基礎になっています。
FITこんな人に向いている
価格を抑えつつ、現在につながる“普通に使いやすいワゴンR”を選ぶなら。3代目は新プラットフォーム、最小回転半径4.1m、広いドア開口や収納など、日常の使いやすさが大きく整理されています。初代・2代目より現代的で、4代目以降ほど電子装備が増えていないため、シンプルな中古軽として扱いやすい世代です。年式が古いので状態優先という前提は変わりません。
CHECK選ぶときに見るポイント
FX/FT/FSやRR、2007年追加のスティングレーなど仕様が多いため、通常車とスポーティ系を分けて探します。2006年には一部仕様でCVTも入り、変速機の違いも中古の性格に影響。ターボ車では整備履歴、NA車でもCVTや足回りの状態を試乗で見たい世代です。
- 型式
- MH23S
- 主なボディ
- 5ドア 軽ワゴン
- この世代を一言で
- 4代目MH23Sは、室内と乗員間距離を広げながら走行・燃費性能も磨き、2009年次RJCカーオブザイヤーを受賞した成熟型の軽ワゴンです。
POINTこの世代のポイント
- 2008年9月の4代目は、初代以来の角型軽ワゴンという基本を守りながら、室内長や前後乗員間距離を拡大しました。後席を含めて人が座る空間に余裕を持たせつつ、日常で扱いやすい軽規格はそのまま。ワゴンRの強みを大きく変えず、完成度を高める方向のフルモデルチェンジでした。
- 新しい車体とパワートレインの効率化で燃費と走りを改善し、標準ワゴンRとスティングレーを並行展開しました。実用性重視のFX系、装備や外観を重視したリミテッド、スポーティなスティングレーという役割分担がはっきりし、中古でも用途と予算から候補を分けやすい構成です。
- 2008年11月にはワゴンR/ワゴンRスティングレーが2009年次RJCカーオブザイヤーを受賞しました。革新的な新ジャンルを作った初代とは違い、4代目の評価は広さ、燃費、乗り心地、使い勝手を総合的に高めた点にあり、ワゴンRが生活車として成熟した時期を象徴しています。
- 5代目でエネチャージが登場する直前の世代なので、電動アシストや回生システムを持たない比較的シンプルな中古車を探せるのも特徴です。最新技術を求めないなら価格面の魅力がありますが、燃費と安全の新しさを重視する場合は2012年以降との差を意識して選ぶ必要があります。
FITこんな人に向いている
手頃な価格と、広さ・乗り心地のバランスを重視するなら。4代目は、5代目のエネチャージ以前のシンプルなパワートレインを持ちながら、室内やシートアレンジは十分に成熟しています。FX、FXリミテッド、FTリミテッドなど選択肢も多く、価格を抑えて日常の通勤・買い物用を探す人に向く世代。燃費技術より個体状態を優先して探す方が満足度につながります。
CHECK選ぶときに見るポイント
NA/ターボ、CVT/ATなど仕様差を確認し、ターボ系は整備記録と過給器の状態を見ます。発売から年月が経っているため、エンジンマウントやショック、ブッシュ、エアコンなど消耗・経年部品の確認も重要。5代目との価格差が小さい場合は、エネチャージや安全装備の新しさまで含めて比較した方が判断しやすい世代です。
- 型式
- MH34S
- 主なボディ
- 5ドア 軽ワゴン
- この世代を一言で
- 5代目MH34Sは、エネチャージ・エコクール・大幅軽量化で低燃費技術を前面に出し、後期にはS-エネチャージや衝突被害軽減ブレーキまで広げた世代です。
POINTこの世代のポイント
- 2012年9月発売の5代目は、ワゴンRを『新世代エコカー』として再定義しました。エネチャージ、エコクール、新アイドリングストップを軽自動車で初採用し、車体も最大70kg軽量化。FX 2WDを780kgに抑え、NA 2WDでJC08 28.8km/Lを実現しています。
- 室内はホイールベース2,425mmの新プラットフォームで広げ、室内長2,165mm、前後乗員間距離1,000mmを確保しました。それでも14インチ車の最小回転半径は4.4m。低燃費化だけに特化せず、歴代が守ってきた広さと取り回しを同時に維持しています。
- 2013年改良ではNA 2WDでJC08 30.0km/Lへ向上し、CVT車にレーダーブレーキサポート、誤発進抑制、ESPなどをメーカーオプション設定しました。燃費技術の先進性に安全支援が加わり、中古で初期型と中期型を比べる理由が装備面にも生まれています。
- 2014年にはFZなどへS-エネチャージを採用し、ISGが加速時にモーターアシストを行う方式へ進化しました。NA 2WDでJC08 32.4km/Lを達成し、アイドリングストップからの再始動も静粛化。6代目のマイルドハイブリッドへつながる電動化の一歩として、5代目後期は技術的な節目になっています。
FITこんな人に向いている
中古価格と燃費性能を両立し、装備差を細かく選びたいなら。5代目はエネチャージを全車へ広げ、2013年にレーダーブレーキサポート、2014年にS-エネチャージを追加しました。前期と後期で低燃費技術と安全装備の内容が違うため、中古では改良時期を選ぶ面白さがあります。6代目ほど高年式でなくても、日常燃費を重視したい人には比較価値の高い世代です。
CHECK選ぶときに見るポイント
2012年初期型、2013年安全装備追加後、2014年S-エネチャージ搭載後を分けて見ます。FZやスティングレーXのS-エネチャージ車はISGによるモーターアシストを使うため、通常のエネチャージ車とは仕組みが異なります。レーダーブレーキサポートも全車標準ではないので、対象個体の安全装備スイッチと仕様を実車で確認します。

- 型式
- MH35S/MH55S
- 主なボディ
- 5ドア 軽ワゴン
- この世代を一言で
- 6代目MH35S/MH55S系は、HEARTECTとマイルドハイブリッドで軽さと広さを両立し、2025年改良でDSBS IIと最新快適装備まで取り込んだ現行世代です。
POINTこの世代のポイント
- 2017年に登場した6代目は、HEARTECTを採用して軽量化と高剛性化を進めながら室内空間も広げ、ワゴンRらしい扱いやすさを保ちました。車体を大きく見せる方向ではなく、限られた軽規格の中で日常の乗り降りや移動を楽にするという歴代の考え方を引き継いだ世代です。
- HYBRID FX/FZにはマイルドハイブリッドを採用し、モーターアシストに加えて軽自動車で初めてヘッドアップディスプレイも設定しました。燃費だけを伸ばすのではなく、街中での発進の滑らかさや視線移動の少なさまで含めて、毎日の運転負担を減らす方向へ進んでいます。
- 荷室開口幅を広げ、後席ドア内側には濡れた傘を収納できるアンブレラホルダーを設けるなど、6代目は生活の細かな動作にも手を入れました。広さの数値より、買い物や送迎で荷物を扱う場面まで使いやすくすることにワゴンRらしさが表れています。
- 現行仕様はZLとHYBRID ZXを軸に、5MTを残しながらDSBS IIや車線逸脱抑制などの安全支援を取り込んでいます。シンプルな操作感を求める人と、電動化や安全装備を重視する人のどちらにも日常車として応えられることが、長く続く6代目の現在の役割です。
FITこんな人に向いている
高年式の安全装備と低燃費、5MTまで含めて日常車を選びたいなら。6代目は、ワゴンRらしい広さと小回りを保ちながら、燃費や安全装備も新しくしたい人に向く世代です。価格を抑えた前半の中古車から、DSBS IIを備える最新仕様まで幅があり、必要な機能に合わせて候補を選べます。
CHECK選ぶときに見るポイント
中古では走行距離だけでなく、R06D、新しい衝突被害軽減ブレーキ、ACCなど欲しい機能が入る仕様かを先に見ます。同じ6代目でも装備内容が大きく違うため、使わない機能に予算をかけるのか、必要な支援まで含めて選ぶのかを決めてから比較するのが現実的です。
ワゴンRはどう進化してきたか
“背を高くする”発想が、軽自動車の使い方そのものを変えた
初代は限られた軽規格の中で高さを使い、頭上空間と荷室を増やしました。2~4代目は新規格や新プラットフォームへ対応しながら、この角型・高効率パッケージを継承。ワゴンRの進化はボディを大型化することではなく、同じ規格の中で人と荷物をより使いやすく配置することから始まっています。
広さを増やしても、小回りを失わないことが歴代の共通条件
3代目は最小回転半径4.1m、5代目もロングホイールベース化しながら4.4mを確保しました。後席の余裕や室内長を増やすほど取り回しは不利になりやすい一方、ワゴンRは住宅街やスーパーの駐車場で使う生活車であることを優先。室内の拡大と街中の扱いやすさを同時に成立させる設計が世代をまたいで続いています。
エネチャージからマイルドハイブリッドへ、回生エネルギーの使い方が進化
5代目は減速時の電力を電装品へ使うエネチャージから始まり、S-エネチャージではISGによる加速アシストへ発展しました。6代目では大容量リチウムイオンバッテリーを使うマイルドハイブリッドとなり、モータークリープも実現。燃費改善の方法が“発電の負荷を減らす”段階から“走行そのものをモーターで支える”段階へ変わっています。
現行6代目では、安全・快適装備の底上げが主役になった
2020年に後退時ブレーキ、2022年に夜間歩行者対応DCBSとACC、2025年にDSBS IIと車線逸脱抑制、カラーMID、ステアリングヒーターを採用しました。車体の広さや燃費が成熟した現在は、事故回避支援と日常の快適性が改良の中心です。長寿モデルだからこそ、同じ6代目でも年式で安全機能の差が大きくなっています。
ワゴンRはどの世代を選ぶ?
ワゴンRの原点や旧車としての個性を楽しむなら1~2代目
初代は軽ワゴンというジャンルを作った原点、2代目は新軽規格へ対応して5ドア実用車として成熟した世代です。現代の安全・燃費性能とは比べず、歴史的な価値や機械的なシンプルさを楽しむ候補。維持前提で選ぶなら、グレードの希少性より錆・機関・部品供給を優先します。
安くて実用的な生活車なら3~4代目を状態優先で探す
3代目は新プラットフォームと4.1mの小回り、4代目はさらに広い室内と成熟した乗り味が魅力です。先進安全装備や回生技術が少ないぶん構成は比較的シンプル。価格を抑えて通勤・買い物用を探すなら、年式ではなく整備履歴、エアコン、足回りなどの状態が候補を分けます。
燃費技術と中古価格のバランスなら5代目後期
2014年以降のS-エネチャージ車は、5代目初期より低燃費と再始動の静かさを高めています。2013年以降はレーダーブレーキサポート装着車も存在し、6代目より価格を抑えながら燃費・安全をある程度選べるのが強み。FZなど対象仕様を明確にして探すと違いが分かりやすくなります。
安全装備を重視するなら6代目の改良時期で選ぶ
6代目は2017年から続くため、同じ世代でも装備差が大きくなっています。R06Dと後方安全を求めるなら2020年以降、ACCや夜間歩行者対応を求めるなら2022年以降、DSBS IIや最新快適装備まで欲しいなら2025年12月改良後が基準。年式を安全機能へ置き換えて比較するのが有効です。
同じ世代でも年式、グレード、駆動方式、改良時期によって仕様は異なります。購入時は実車の状態や装備、整備履歴も含めて確認してください。
ワゴンRを選ぶときに確認したいポイント
1~2代目はグレードより“維持できる状態か”を先に見る
1990年代の個体では、外装のきれいさだけでなく下回りの腐食、冷却系、オイル漏れ、エンジンマウント、ブッシュ、電装まで確認します。RRなど希少仕様でも、整備履歴が薄い車は維持費が膨らむ可能性があります。購入価格ではなく、その後も部品と整備を確保できるかまで含めて判断します。
3~4代目はNA/ターボと変速機をそろえて価格比較する
FX系、FT系、RR/スティングレーではエンジンと装備が異なり、途中にはCVT導入もあります。同じ世代でもターボ車とNA車、ATとCVTを横並びにすると条件が崩れます。用途を決めてパワートレインを固定し、その中で走行距離と状態を比べると中古価格の差を理解しやすくなります。
5代目はエネチャージとS-エネチャージを混同しない
2012年型のエネチャージは減速エネルギーを電装品に活用する仕組みで、2014年のS-エネチャージはISGが加速も支援します。FZなどS-エネチャージ車を狙うなら、年式と正式グレードを確認。レーダーブレーキサポートも装着車に限られるため、販売店の『安全装備あり』という表記だけで判断しないことが大切です。
6代目は2017・2020・2022・2025年型を別仕様として扱う
2017年型はR06A中心、2020年でNAにR06Dと新CVT、2022年でDCBSとACC、2025年末でDSBS IIと新外観へ進んでいます。高年式中古では単純に走行距離の少なさだけでなく、どの改良を含む個体かを先に確認。安全支援の内容を揃えてから価格を比べると条件が明確になります。
6代目 ワゴンR MH35S/MH55S
情報確認:2025年12月

外観を一本化し、DSBS IIと快適装備を追加
2025年12月の一部仕様変更では、カスタムZをベースにフロントデザインを一本化し、ZL/HYBRID ZXを中心とする構成へ変更しました。DSBS II、車線逸脱抑制、4.2インチカラーMID、ステアリングヒーターを採用し、減衰接着剤によって乗り心地・操縦安定性・静粛性も改善しています。
ワゴンRシリーズが世界累計販売1,000万台を達成
1993年9月の日本発売から31年9カ月で、ワゴンRシリーズの世界累計販売が1,000万台へ到達しました。ワゴンRワイド、ワゴンR+、ワゴンRソリオも含むシリーズ実績で、日本の軽ワゴン思想がインドやハンガリーなど海外へ展開されてきた歴史を示す節目です。
最新の販売状況、受注状況、グレード構成、価格については、メーカー公式サイトまたは正規販売店で確認してください。
