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車の傷、修理してから売る?それともそのまま?プロが教える損得の分岐点
「愛車を売るなら、少しでも高く売りたい!」「この傷や凹み、修理した方が査定額は上がるのかな?でも、修理代で損しちゃったら意味ないし…」そんな風に、修理すべきか、そのまま売るべきか、悩んでいませんか?
その悩み、この記事が解決します。実は、車を売る前の修理は、9割のケースで「しない方がお得」になるのが業界の常識です。
この記事では、なぜ修理すると損をするのかというプロの視点と、修理すべき例外的な傷の見極め方を、誰にでも分かるように解説します。これを読めば、最も賢い方法で愛車の高額査定を目指せるようになります。
【結論】9割の傷は修理するな!そのまま売るのが一番お得
愛車を少しでも高く売るために、傷や凹みを修理すべきか悩んでいるあなたへ。結論から言います。ほとんどの場合、修理はせず「そのまま」の状態で査定に出すのが正解です。修理代の方が、査定額のアップ分より高くなってしまう「修理損」になるケースが9割だからです。まずは、その理由となる3つの原則を押さえましょう。
車を売る前の修理、損しないための3原則 🛠️
- ①「査定の減額 < 一般の修理代」と心得る
→ 買取業者は自社の提携工場で安く修理できるため、傷による査定の減額幅は、あなたが板金塗装屋に払う修理代よりも小さくなります。例えば、修理代に5万円払っても、査定額は2万円しか上がらない、ということが起こります。 - ② 下手な修理は「修復歴」扱いで、さらに価値が下がる
→ 安く済ませようとDIYなどで中途半端に修理すると、プロの査定士にはすぐに見抜かれます。質の低い修理は「修復歴あり」と判断され、かえって査定額が大きく下がってしまうリスクがあります。 - ③ 修理代より「洗車・清掃」にお金をかける
→ 査定士に「この車は大切に乗られていたな」という良い印象を与えることが、高額査定に繋がります。数万円かけて傷を直すより、数千円で洗車や車内清掃を徹底する方が、遥かにコストパフォーマンスが高いです。
基本的にはこの3原則を覚えておけばOKです。次のセクションでは、これらの理由をさらに詳しく掘り下げて解説していきます。
なぜ修理すると損?車買取の仕組みと3つの判断基準
「傷は直した方が高く売れるはず」と思ってしまいますよね。しかし、そこには買取業界のカラクリがあります。なぜ修理すると損をしてしまうのか、その理由と、例外的に修理した方が良いケースの判断基準を解説します。
理由①:買取業者は修理を安くできるため、査定減額は修理代より小さい
あなたが車の傷を修理する場合、板金塗装工場などに依頼し、一般的な「小売価格」で修理代を支払います。一方、買取業者は、自社の整備工場や提携工場で、「業者価格」で格安に修理できてしまいます。
そのため、「あなたが支払う修理代」よりも、「傷による査定の減額分」の方が、常に安くなるという逆転現象が起こります。
| 項目 | あなたの場合 | 買取業者の場合 |
|---|---|---|
| 小さな凹みの修理代 | – 50,000円(小売価格) | – 10,000円(業者価格) |
| 査定額への影響 | + 20,000円 | – 20,000円 |
| 最終的な損得 | – 30,000円の損 | + 10,000円の得 |
この表のように、あなたが5万円で修理しても査定は2万円しか上がらず、結果的に3万円損してしまいます。業者は修理せず、2万円減額して買い取った方が得なのです。
理由②:下手に修理すると「修復歴あり」と見なされ、さらに減額も
費用を浮かせようと、カー用品店で買ったスプレーなどでDIY修理をするのは最も危険です。色のムラやパテの跡は、プロの査定士が一瞬で見抜きます。
そして、一度でも質の低い修理跡が見つかると、それはただの「傷」ではなく、車の骨格(フレーム)までダメージが及んでいるかもしれない「修復歴車」として扱われる可能性があります。こうなると、ただの傷よりも査定額が数十万円単位で大幅にダウンしてしまいます。自信がない限り、絶対に自分で修理してはいけません。
判断基準:それでも修理した方が良い「例外的な傷」とは?
9割は修理不要ですが、ごく稀に修理した方が得になるケースもあります。それは、誰でも、安く、簡単に、キレイに直せるレベルの傷です。
- コンパウンドで磨けば消える、ごく浅い線傷:
数千円のコンパウンド剤で、査定士の印象を良くできる可能性があります。 - シールやステッカーの剥がし跡:
専用の剥がし剤でキレイに剥がせるなら、マイナス査定を防げます。
逆に、塗装が剥げている傷や、指で触って分かる凹みは、プロの技術が必要です。これらは絶対に触らず、そのまま査定に出しましょう。
【傷・凹み別】修理代 vs 査定への影響をケース別に解説
では、具体的にどのような傷や凹みが、修理すべきか・すべきでないかの分かれ目になるのでしょうか。よくある5つのケース別に、修理代の目安と査定への影響を見ていきましょう。
【ケース①:洗車傷・爪でついた程度の浅い線傷】
【結論:修理不要(コンパウンド磨きはアリ)】
修理代(プロ依頼):約1〜3万円
査定減額の目安:0〜1万円
多くの場合、査定士も許容範囲とみなし減額対象にすらなりません。気になるなら数千円のコンパウンドで磨くのは効果的ですが、板金塗装に出すのは完全に「修理損」です。
【ケース②:ドアノブ周りやバンパーの、塗装が剥げた傷】
【結論:修理不要】
修理代(プロ依頼):約3〜5万円
査定減額の目安:約2〜3万円
見た目が悪いため修理したくなりますが、我慢のしどころ。あなたが5万円払って修理しても、査定額は2〜3万円しか上がらない典型例です。そのまま売るのが正解です。
【ケース③:ドアパンチなどでできた、指で押した程度の小さな凹み】
【結論:修理不要】
修理代(プロ依頼):約3〜6万円
査定減額の目安:約2〜4万円
これも修理代が査定アップ額を上回るパターンです。特に複数の買取業者で査定額を比較すれば、この程度の凹みをあまり気にしない業者が見つかる可能性もあります。
【ケース④:こすったり、ぶつけたりしてできた大きな傷や凹み】
【結論:絶対に修理不要】
修理代(プロ依頼):10万円〜
査定減額の目安:5万円〜
修理代が高額になればなるほど、査定減額との差は開いていきます。「大きな傷ほど修理せずに売る」のが鉄則です。下手に修理すると「修復歴あり」と判断され、さらに大きな損をするリスクも伴います。
【ケース⑤:飛び石などでできたフロントガラスのヒビ】
【結論:修理した方が良い可能性アリ】
修理代(リペア):約1.5万円〜
査定減額の目安:約3〜5万円
これは例外的なケースです。ヒビは車検に通らないため、買取業者は必ず修理します。リペアで安く直せる小さなヒビなら、修理代より査定減額の方が大きくなることがあり、修理した方が得になる可能性があります。
車の傷や修理、査定に関するよくある質問
- Q1. 車を売る前に、保険を使って傷を修理するのはアリですか?
- A. おすすめしません。保険を使うと翌年度以降の保険料が上がり、等級もダウンします。目先の修理代は0円になっても、長期的に見れば保険料の値上がり分で、結局は損をしてしまう可能性が高いです。
- Q2. 傷を直すより洗車、とありましたが、本当に査定額は変わりますか?
- A. はい、変わります。直接的な加点項目ではありませんが、査定士への心証が大きく影響します。車がキレイだと「大切に乗られてきた車=状態が良い」という印象を与え、査定士も強気な減額をしにくくなります。費用対効果は抜群です。
- Q3. 「修復歴あり」と判断されるのは、どんな修理ですか?
- A. 「修復歴」とは、車の骨格部分(フレームなど)を交換・修復した経歴を指します。ドアの擦り傷やバンパーの凹みといった、骨格に関係ない部分の修理は「修復歴」には当たりません。査定額が大きく下がるのは、この「修復歴」がある場合です。
- Q4. 車の傷について、査定士に正直に伝えた方がいいですか?
- A. はい。隠さず正直に伝えましょう。どうせプロの査定士には、どんな小さな傷も見抜かれてしまいます。隠そうとしたり嘘をついたりすると、査定士からの信頼を失い、「他にも何か隠しているのでは?」と、かえって厳しい査定をされる原因になります。
- Q5. 雹(ひょう)で、屋根に小さな凹みがたくさんできてしまいました。
- A. 雹害による無数の小さな凹みは、修理代が非常に高額になるため、絶対に修理せず、そのまま査定に出してください。これは「減額はされるが、修理するよりはマシ」という典型例です。雹害は自然災害なので、通常の傷より減額幅が考慮されることもあります。
まとめ:基本は「そのまま査定」!賢く判断して高価買取へ
車を売る前の傷や凹みの修理について、判断基準を解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- 9割のケースでは、修理せずに「そのまま」売るのが最もお得。
- 理由は、「査定の減額 < あなたが払う修理代」だから。
- 修理より、数千円でできる「洗車・清掃」で印象をアップさせるのが効果的。
あなたの愛車に傷があっても、悲観する必要はありません。まずは修理費用を見積もるのではなく、複数の買取業者に「そのまま」の状態で査定を依頼し、各社の査定額を比較することから始めましょう。