4気筒PHEVから多気筒エンジンへの転換
メルセデスAMGは、高性能モデル「C 63」と「GLC 63」に搭載されてきた2.0L 4気筒プラグインハイブリッドを段階的に廃止し、新たに直列6気筒改良型やフラットプレーンクランクのV8エンジンへ切り替える方針を明らかにした。現行「C 63 S Eパフォーマンス」で総出力680psを誇るM139+電動モーターは技術的に先進的ながら、重量増とV8相応の個性不足が愛好家から指摘されている。さらに2025年以降のユーロ7排出ガス規制への対応コストも高く、多気筒化によるパフォーマンスと排ガス適合の最適解を追求する戦略へと舵を切った。
多気筒サウンドへの郷愁と次世代への期待
メルセデスAMGの4気筒PHEV廃止ニュースを聞いてまず驚いたのは、あのC 63やGLC 63のハイブリッドモデルが“ファンの共感を得られなかった”という点です。テクノロジーとしてはM139エンジンと電動ユニットの組み合わせで680psを実現しているにもかかわらず、やはりV8ならではの重厚なサウンドやレスポンスに軍配が上がったのは興味深いですね。
重量増で運動性能がスポイルされたという声や、「いかにもAMGらしくない」といった厳しい評価も目立ちました。直6は滑らかな回転フィール、V8は荒々しいパンチと独特の鼓動感が魅力なので、どちらで来るにせよ“らしさ”が復活するのは嬉しいところです。
一方で、電動化の流れを完全に無視しないAMGのデュアル戦略は賢明。48Vマイルドハイブリッドやフルハイブリッド対応を継続しつつ、内燃機関も進化させるというバランス感覚には好感が持てます。今後発表される新世代6気筒やV8が、どのようなサウンドとフィール、そして排ガス性能を両立させるのか、期待して見守りたいですね。